早く行動を始める〝すぐやる派〟と、時間をおいて取り組む〝のちほど派〟。あなたはどちらのタイプですか。ペースは人それぞれ違うもの。ですが、タイプが違う人が身近にいると、モヤモヤすることがあるかもしれませんね。互いの思いを知り、うまく付き合うための方法を探っていきます。 ※アンケート有効回答数396人
京都学園大学
人文学部心理学科教授
有馬淑子さん
ペースが合わない人と過ごしているときに感じる、不満や戸惑いとは。すぐやる派とのちほど派にまつわる、読者のエピソードを紹介します。京都学園大学人文学部心理学科教授の有馬淑子さんには、そのエピソードについて意見を聞きました。
まずはすぐやる派。アンケートで目立ったのが、のちほど派に行動を早くするよう急がせたという経験でした。
「すぐやる派の私は、周りの人にもそのペースを求めがち。夫に保険会社の書類の提出をせかしたところ、怒らせてしまいました」(KR)
いつやるかは本人次第だとわかっていながらも、つい口出ししたくなるようです。
夫のことは夫に任せる、と信頼して線引きをするのも大事。用事をすべて引き受けようとすると、家族の仕事まで〝やるべきこと〟のように感じてしまいます。自分の案件と認識しなければ、人のペースに委ねやすくなりますよ。
お互いの不満が表れたのが、メールやラインのやりとり。すぐやる派は「相手からの返事が遅いとイライラする」(MA)と、本音を語ってくれました。
ここで注目したいのがのちほど派のエピソード。
「送る文面をしっかり考えてから返信しようと思っている間に、せっかちな友人は何度もメッセージを送ってきます。考えていた文章を新たな内容に合わせて再考し…という繰り返しで、どんどん返信が遅くなります」(OT)
きちんとした文章を送りたいとの気持ちから、返信が遅れているとのことでした。
すぐやる派が、のちほど派の行動をさらに遅くさせてしまっているという、ちょっぴり皮肉なこの状況。のちほど派がひとまず「確認しました。返事は少し待ってください」と送ることで、すぐやる派の気持ちも落ち着くかと思います。
すぐやる派
旅行案内で魅力的なプランを見つけ、妹と行こうとすぐに申し込みました。ところが、妹に確認すると予定が合わず行けないことが判明。結局キャンセルしました。焦ってはダメだと反省(KK)
すぐやる派
母の日のプレゼントは毎年早めに準備。直前に届く「お母さんへの贈り物におすすめ」というダイレクトメールも気にならず、ストレスフリーです(NK)
のちほど派
店で好みの服を発見。ですが、デザインや値段が決め手に欠け、悩んで保留にすることに。後日、やはり買おうと決心して来店すると、売り切れてしまっていました。時は金なりですね(HK)
のちほど派
出張のためのホテルの手配を後回しにしたところ、満室で予約できず。飛び込みでゲストハウスに泊まったら、なかなかいい宿でした。結果オーライです(笑)(KY)