読者アンケートでは、すぐやる派が67%、のちほど派が33%という結果に。
すぐやる派の人によると「後回しにしても結局はやらないといけない。今できることはやってすっきりさせたいです」(ぴよママ)、「前もって行動することで安心します」(KT)といった理由で早めに行動しているとか。
そんなすぐやる派からは「早くすればいいのに…」と思われがちなのちほど派。反対にすぐやる派について、のちほど派は「落ち着きがなく見える」(SA)、「自分のペースを貫かれると、周りまでピリピリする」(FK)と感じているそうです。
のちほど派から挙がったのは「よく考えずに答えを出してしまったと後悔するのが嫌。じっくり考えて動いた結果なら、失敗しても受け止められます」(MF)や、「以前は早くやらなきゃと自分を追い詰めていました。ですが、時間を費やしてもいいのだと考えを切り替えたら楽になり、人にも優しく接することができるようになりました」(NM)といった意見。時間をかける分、心の整理ができたり、気持ちに余裕が持てるのですね。
その一方で、「面倒くさくてつい後回しに。目指すはすぐやる派です」(TK)という声も。自分のペースをなかなか変えられず、悩んでいる人も多いようですよ。
そんな中、アンケートでは、途中でタイプが変わったとの回答も見られました。
そのきっかけとなったというのが環境の変化。
「社会人になってからすぐやる派になりました。仕事を後に回すと、ろくなことにならないとわかったので」(ハンコさん)、「子どもが生まれてからすぐやる派に。家事に育児にとやるべきことが増えたので、テキパキこなさないと終わりません」(NT)、「退職してからのちほど派になりました。周りには迷惑をかけないようにしつつも、『急がば回れ』と一呼吸置いて行動しています」など、生活に合わせてペースを変えたのだとか。
「大病を患い、明日が常に来るわけではないのだとわかりました。それ以来すぐやる派です」(SA)と、病気がターニングポイントとなった人もいます。
ペースが人によって異なるのは、いくつかの理由があると、有馬さんは話します。
「忙しい日々を送る人はすぐやる派が多いですね。責任感が強い人も、すぐやる派になりがちです。さまざまなことを『自分がやらなければ』と考えるので、するべきことが増加。処理する案件が多くなるため、何事も早く取り掛かるのです」
のちほど派に多いというのが、慎重な性格の人。ワンテンポ遅い行動は、よく考えたうえでの動きだといいます。
「性格のほかに関わっているのが〝ワーキングメモリー〟の容量です。ワーキングメモリーとは、脳に一時的に記憶をとどめる働きのこと。さまざまな用事を記す、心のメモのようなものです。ワーキングメモリーの容量が小さい人は、複数の課題を同時に解決するのが苦手とされています。そのため、作業がたまる前に処理しようとするすぐやる派の傾向があります」
反対に、するべきことを覚えていられるワーキングメモリーの容量が大きい人はのちほど派になりやすいとか。
「すぐやる派は急ぐ作業、のちほど派は時間のかかる作業と、それぞれの得意分野があります。すぐやる派で忙しい日常を過ごしていたり、のちほど派でやることがたまっているときは、焦りや心配でストレスを感じがち。これはワーキングメモリーが関わる行動のコントロールがうまくできていない状態です。するべきことを書き出すと、脳内のリストが明文化されて気持ちがすっきりすると思いますよ」
家族や友人、同僚といった身近にいる、ペースが違う人。互いにうまく付き合っていくには、どんなことを心掛けるといいのでしょうか。有馬さんに教えてもらいました。
気持ちよく過ごすためには、のちほど派のペースに口を挟まず、ぐっと我慢することも大切です。 それでは落ち着かないという人は、スケジュールの段取りを教えたり、遅れた場合に想定されるトラブルを柔らかく伝えてみましょう。自分のできることはしたと、少し心が軽くなりますよ。
ペースを速めるのは難しいもの。無理に相手に合わせるのではなく、自分が行動するタイミングを周りに知らせてはどうでしょうか。 例えば、出かける準備は出発の20分前に始める、このはがきは2日後にポストに入れる、など。具体的に示しておけば、すぐやる派も安心できます。
すぐやる派
ペースがゆっくりの人には、「すぐやるとこんないいことがあったよ」と自分の経験を穏やかに話すようにしています(NS)
すぐやる派
友人から「すぐ返信がきて焦る」と言われて以来、メールは時間を空けて返すようにしています(KS)
すぐやる派
すぐやる派の私に対し、夫はのちほど派。言葉でせかすと「わかってる!」と怒るので、家事などをしてほしいときは〝お願いメモ〟を張っておきます。「時間があるときにお願いね」と書き添えておくと、だいたい後でやってくれます(IK)
のちほど派
行動が遅くて人に迷惑をかけそうなときは、先に謝っておきます(IT)
のちほど派
動く前にゆっくり考えている私に、「まだやらないの?」と同僚。そこで、みんなが見るカレンダーに、いつやろうと思っているかを書いて知らせるようにしました(れいこ)