小学校、中学校、高校、大学など、それぞれで進学・受験に関する選択肢が増えています。受験をするかしないか。中高一貫校を選ぶか。大学では次々と学部が新設・改編されていることも、進学先の多様化に影響しています。そんな中、リビング読者の家庭では、どのような進路を選んでいるのでしょう。アンケートから見えてきたものとは。
※2017年4月現在で小学校〜大学(専門学校など含む)に通う子どもがいるリビング読者計195人にアンケート調査(複数回答あり)
私立・国立大学付属の小学校に通う子どもは、101人中2人
〝お受験〟という言葉も珍しくなくなった昨今。小学校から受験をする子どもも多いのではと記者は予想していましたが、今回のアンケートでは私立や国立大学の付属小学校に子どもを通わせているとの回答はごく少数。101人中2人にとどまりました。
受験をした理由を聞いてみると、「もともと中学受験をしたいと思っていた学校に付属の小学校があったので。何らかの事情で内部進学をやめたとしても、低学年のうちから受験を見据えた勉強の指導をしてもらえる点が魅力です」(よねママ)、「伝統芸能に触れられる授業やホームステイがあったりと、他の学校にはない体験ができるから」(みーちゃん)とのこと。
一方、公立小学校に進学している子どもたちの保護者からは、受験はそもそも考えていなかったという回答のほか、地元で学ぶことを重視したいとの声も聞こえてきます。中にはNRさんのように、「事前に学校の評判などを調べ、家を購入する際は、その情報をもとに地域を選びました」と、学区を重視して家選びをしたケースもありました。
そのほか、学習費が壁となり、受験をあきらめた人も。文部科学省の調査によると、学校教育費と学校給食費の合計額は公立で10万2000円、私立で93万2000円なのだとか(表参照)。およそ9倍という費用は確かにネックになりますね。
1年間の学習費
- ※「文部科学省 平成26年度子供の学習費調査(幼稚園―高校)」のデータより編集部で作成
- ※幼稚園から高校の「学校教育費」は、授業料や入学金、教科書費、通学費など、学校教育のために各家庭が支出した全経費。「学校給食費」は、完全給食、補食給食などの実施形態に関わらず各学校が徴収した経費の額です。「学校外活動費」は、学習塾、習い事などへの支出です
- ※大学の「学校教育費」の金額は「独立行政法人日本学生支援機構 平成24年度学生生活調査」の「学費」を掲載。授業料、その他の学校納付金、就学費、課外活動費、通学費の合計
公立小学校を選んだ人の主な意見
- ●転勤族です。頑張って受験勉強をしたのに、転校でムダになってしまったらかわいそうで。今は、地元の学校に通わせています。幼稚園からの友達も多いので、これで良かったと思っています(ひゅうまま)
- ●父親がその小学校の卒業生で、自宅から一番近い小学校だから(SS)
- ●地域の公立小学校は、落ち着いた雰囲気で学区の住民との交流が盛ん。地域で子どもを育てていけるのが良いと感じています。特に私立など受験校を選ぶ必要性を感じないので、今後も公立に通わせたいと思っています(れいこ)
- ●付属小学校受験も考えましたが、子どもの性格を考慮し、見知らぬ小学校に行くのは負担が大きすぎると考えてやめました(OM)
- ●周囲には受験をする子も多いのですが、うちは現在の公立の学校で十分。金銭的なこともあって、高校もできれば公立に行ってほしいと思っています(YI)
- ●地元の小学校でたくさんの友達と過ごせるようにと、受験はしていません。地域の中で生活していき、人と人との触れ合いや地域のつながりなどを学んでほしいです(けろこ)
受験率がアップ。
中高一貫校の進学希望者も
中学校になると、受験をする子どもがグンと増加。私立や国立の付属校で学んでいるとの回答が、全体の4分の1を占めました。中高一貫校に行きたかったためという意見も多くみられ、学校の選択も本人の意思が反映されるようになっているようです。
受験をさせていない人では、義務教育のうちは公立で十分という考えと、経済的に厳しいのでという声が目立ちました。
私立・国立大学の付属中学校を
選んだ人の主な意見
- ●学校説明会にいくつか参加し、子どもが楽しんで通えそうなところを選びました。社会見学に行ったり、自分たちが学校菜園で作った野菜を使っての調理実習があったり、将来、役立ちそうなことも教えていただけます。英語教育に力を入れていて、10日間のホームステイが用意されているのも魅力でした(まき)
- ●中高一貫校を本人の希望で受験。女子校、少人数、通学のしやすさが決め手でした。奨学金があることもメリットです。高校受験がないので、中学時代に部活や習い事に打ち込めます(KM)
- ●公立中学校にお子さんを通わせているお母さんたちとの会話で、「志望の大学を目指すには、塾通いにかなりのお金がかかる」と聞いていたので、私立の進学校へ。中高一貫校であれば、高校受験にしばられず、クラブ活動も満喫できそう。大学受験も、クラブで鍛えられた精神力で乗り越えてくれるはずだと思います(ALOHA)
公立中学校を選んだ人の主な意見
- ●小中一貫校(公立)なので、そのまま進学しました(りのあやママ)
- ●本人が希望していないし、私も早くから「受験、受験」と言いたくなかったので(ぴよママ)
- ●中学受験の話は一度したことはありますが、友達と離れたくないと言うので受験はしませんでした(SN)
- ●中学から受験させたり、私立に通わせる余裕はないので初めから選択肢がありません(NA)
- ●他府県の公立中学校に、10年ほど前に子どもを通わせていた妹から話を聞いて、公立中学校にあまり良いイメージは持っていませんでした。環境が変わったほうがいいかなという思いもあって受験をさせたいと夫に話をしましたが、「なぜ義務教育にお金をかけるのか」と却下されました。
実際に公立中学校に通わせてみると、妹の話で聞くようなことはなかったのですが、高校は私立の大学付属に行かせたいです(KS)