華やかなピンクに温かみを感じるオレンジ、清らかな白に爽やかな青…。目に飛び込んでくる花の色に心躍ることもありますね。今、府内各地ではさまざまな花が見ごろを迎えています。今年のゴールデンウイークは、“色”がテーマの花巡りへと出かけませんか。
山の中腹に、約3万坪(9万9000平方メートル)の敷地を持つ善峯寺。
本堂脇の通路へと進み、その先のゆるく蛇行した坂を見上げると、数百メートル続く、鮮やかな“ピンク”と“白”の一帯! 参拝者を歓迎するかのように咲く、ヒラドツツジです。
坂を上っている途中、今度は左手に“黄色”が。阿弥陀堂の前に黄レンゲツツジが3本育てられています。
それにしても、どうしてこんなにツツジが植えられているのでしょう。
副住職の掃部(かもん)光淳さんによると、「この付近は、観音様のお庭。華やかにするためです」とのこと。境内の雰囲気に合っていますね。
そしてもう一つの色が、坂道を歩いていくと見つかる“ピンク”。八重桜です。
「今年はちょうど、ツツジと同じ時期に花を咲かせると思います。この桜の美しさは、咲いている間だけではありません。花びらが散ると道がピンク色に染まります。これも見ものです」
淡い“紫”と“ピンク”がきれい。まるでシャンデリアです。
丹州観音寺の境内を入って右手の坂に広がる、「昇り藤」と名付けられた80メートルほどのフジ棚。参拝者はこの下を歩くことができます。
こちらでは、色や長さが少しずつ異なる5種類のフジを観賞。広範囲に広がるのが「野田フジ」、最も長いのが「九尺フジ」。どちらも上品な“紫”の花です。一方、愛らしいピンク色の花を咲かせるのが「紅フジ」。そして、“白”と“濃い紫”も。フジ棚の端で咲いているため、参拝者が一番最初に目にするフジです。「白フジ」「黒フジ」というそうですよ。
ちなみに「昇り藤」という名前には、坂道にあることに加え、“運がのぼるように”という意味が込められているのだとか。
境内の中央にはもう一つ、“紫”の眺めが。太い木に巻きついた、力強いフジです。「福知山の名木」に指定された天然のフジ。フジにも、さまざまな色があるのですね。