クリミナル 2人の記憶を持つ男｜試写室・劇場から

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俳優たちの演技バトルが熱い　スリリングなスパイアクション

米軍の兵器を遠隔操作できるハッカーと接触しようとしていたＣＩＡロンドン支局のエージェント、ビルが殺された。そのハッカーの居場所を突きとめるため、支局長のクウェイカーは、死刑囚ジェリコの脳に、ビルの記憶を植え付けるという手術を決断する。だが、求める効果はなかなか出てこない。一方で、テロリスト集団も、ハッカーが持つ危険なプログラムを狙っていた…。

48時間というタイムリミットや、何が何だかわからない状況に置かれたジェリコの暴走など、ドキドキさせる要素はたっぷり。また、極悪犯人だと思わせるようなジェリコだが、人間としての感情を失った原因と、彼の感情の芽生えが、物語に深みを与えている。結末は皮肉をまじえた痛快さ！　ジェリコ役のケヴィン・コスナーは、従来のイメージを振り払うような怪演で、怪演で鳴らしたゲイリー・オールドマンが受けの演者になっているのが興味深い。また、トミー・リー・ジョーンズが重要な役どころで登場。監督はアリエル・ヴロメン。

（ライター 宮田彩未　 ）