ラ・ラ・ランド
2月24日(金)からTOHOシネマズ二条、MOVIX京都、T・ジョイ京都で公開
万華鏡をのぞいているような美しさと楽しさに、ほろ苦さ
以前にこの欄でもご紹介した「セッション」の気鋭監督、デイミアン・チャゼルによる話題作。ゴールデン・グローブ賞で史上最多7部門受賞、アカデミー賞でも大きな期待が寄せられているミュージカル仕立てのラブストーリーだ。
交通渋滞の道路上で繰り広げられる冒頭の群像シーンは、まるで往年のハリウッドミュージカルみたいだが、カメラはやがて、一人の男と一人の女の夢の形を追いかけていく。男は自分の店を持ちたいと願う売れないジャズピアニスト、女は数々のオーディションに落ちまくっている女優の卵。運命のように出会ってしまった二人の、恋と夢のゆくえを、耳に長く残る印象的な楽曲とともに描いている。
ビビッドな色使いとファンタジーのような仕掛けで、画面がキラキラ輝いているよう。ライアン・ゴズリングとエマ・ストーンという旬の俳優が確かな演技を見せてくれるのもうれしい。でも、私が一番気に入ったのは、物語の終わり方。現実と幻想が共鳴するビターな後味に胸が震えた。
(ライター 宮田彩未 )