年齢を重ねるごとに気になってくるのが、手のシワやしみ。
「個人差はありますが、40代半ばくらいから目立ち始める傾向にあります。原因は女性ホルモンの低下。肌の構造を支えるコラーゲンやエラスチンが減ると、皮膚が萎縮してシワになったり、肌の回復力が弱まってしみができたりするのです」と新井さん。
1面では、しみやシワの原因は手荒れと紹介しました。
「手荒れで炎症が長引くと、シワやしみができやすくなります。さらに、乾燥するとシワはより深くなります。やはりハンドクリームでの保湿が重要です」
そして、「爪の縦ジワが深くなってきた」(チェリー)のように、シワは肌だけではなく爪にもできるそう。
「気になるからと、爪の表面を削るのはNG。肌のシワと同じく、ハンドクリームやオイルで保湿しましょう」
一方、しみの予防といえば紫外線対策。「日焼け止めクリームを塗っているけれど、乾燥対策にハンドクリームも塗りたい。どう塗るべき?」(ぐどんママ)と、迷う人もいるようです。
「実は、ハンドクリームの油分で日焼けしやすくなるのです。日焼け止めはハンドクリームの上から塗るのが望ましいのですが、外出先で二つを何度も塗り直すのは現実的ではありません。そこで心強いのが手袋。特に冬の紫外線対策に適しているのが、織り目や編み目などの隙間がない革手袋です」
紫外線カット加工がされた手袋の効果は次第に薄れるので、ワンシーズンごとに替えるのが理想的とのことでした。
浮き出た血管はなかなか対処が難しいそうですが、ストレッチやマッサージで改善できるとか。手の筋肉が凝り固まっていると、静脈が膨れてより血管が目立ってしまいます。新井さんから、筋肉をほぐすマッサージ三つを教えてもらいました。※試すときは無理をしないように
1 「グーッと力を入れて手を握って3秒キープした後、手を思いきり開いてしっかり指を伸ばします。これを数回繰り返すと血行がよくなりますよ」
2 「手の甲の骨の間をぐっと押します。気持ちいいと感じるところをほぐしてください。血流が悪い指の先は左右を押してマッサージしてみて」
3 「両手を胸の前で合わせて右手は左方向、左手は右方向に力を入れます。指の先は付けたまま、手のひらと指を離して反らします。物を握ったりと指は内側に曲げることが多いので、反らして血の巡りをよくしましょう」
「冬でも手洗いや食器洗いのときは水を使用。冷たいけれど、ここは頑張りどころです! 手が冷えたら、血を巡らせるためにマッサージをします」
モデルとして活躍する西村成代(みちよ)さん。手を見せてもらうと、手荒れもなくすべすべ!
日頃からケアに力を入れている証しですね。
「ハンドクリームは手を洗ったらすぐ、というように小まめに塗っています。小さいサイズのものを常に持ち歩いています」
野菜やフルーツを花などの形に彫るカービングの講師という顔も持つ西村さんは、現在52歳。40歳を過ぎてから手の美容に気を付けるようになったと話します。
「カービングを始めたのもそのころ。果物の水分や野菜のあくで当初は手がカサカサになっていました。でも、きちんと手入れするとそれも改善。今ではケアするのも楽しくなっています」
爪の周りはネイルオイルでケア、就寝前には定期的に手のパックをするとのこと。手袋は、肌にやさしく手触りの良いものを選んでいるそうです。
ところで、話を聞いている途中、西村さんは手を握っては開いたり、指を動かしたり。これも〝手美人〟のポイントに?
「血管が浮き出るのはある程度仕方がありませんが、このように動かして血行をよくすると目につきづらくなるんです。さまざまな対策を全てやろうとせず、できるケアを続けていくことが大事だと思います」
〝手美人〟を目指すなら、肌だけではなく爪もきれいに。ネイルサロン「TAACOBA(タアコバ) 京都BAL店」の若宮裕恵さんに、爪のケアについて聞きました。
まずは「爪のひび割れは、乾燥が原因?」(れいこ)という疑問について。
「その通り、ひび割れや2枚爪といった爪のトラブルは乾燥が原因と考えられます。そこで役立つのがネイルオイル。爪全体と、爪の周りに塗って保湿します。甘皮の下には爪母(そうぼ)という爪を作り出す細胞があるので、この部分に念入りにすり込みましょう」
爪切りは爪にダメージを加えるため、なるべく使わない方がいいのだとか。
ネイルをしているときにも注意点があると若宮さん。
「色素沈着を防ぐため、しっかりベースコートを塗りましょう。ネイルをしない人も、ベースコートだけでも塗ると爪の保護につながります。除光液は爪を乾燥させるため、1週間以上空けて使うといいですね」
ネイルを塗るときははみ出さないよう注意を。甘皮や爪の周りからネイルオイルを塗れるよう、少し隙間を作るのがポイントです。