近所の中華料理店や焼き肉店…。家族で食事をするとなったらいつも足を運んでしまう。そんなお店はありませんか? たびたび訪れているから、気付けば家族共通の思い出やエピソードもいっぱいに。今回は読者家族に、〝わが家のいつもの店”を教えてもらいました。
岡本一家のいつもの店は右京区の焼き肉店「洛ざん」。岡本光子さん(63歳)は「次男も長女も家を出ていますが、ここ5年、誰かの誕生日は自然と『洛ざん』に集まるように。長女の夫と子ども、次男が交際している子も参加しだして、だんだんと人数が増えています」。
「そう言うと仲よし家族のように思われそうですが、以前はぜんぜん違ったんです(笑)」とは次男の俊介さん(33歳)。家族がそろってご飯を食べることも少なく、ぎすぎすしていた時期もあったのだとか。
「5年前、祖母が亡くなったことをきっかけに、家族の関係をどうにかしたいと思うようになって。母の日に長男も含め、私たち3人で母にごちそうをしました」と長女・亜澄さん(32歳)。俊介さんが「それからですね。こういう場が大切だと思い、集まるようになったのは」と続けます。
最初はいろいろな店を利用していたそうですが、味のおいしさに加え、お店の居心地の良さもあり、他は利用しなくなっていったとか。話すのは昨日見たテレビのことや、日々の何げないこと。口げんかもしばしば起こるようですが、「こうして集まれることが、すごくうれしいんです」と光子さん。家族の大切なだんらんの時間ができているのですね。
「親せきのおじさんみたいな存在。裏表がなく、まっすぐなところも好きなんです」と左京区の焼き鳥店「ともひろ」の大将・近藤浩さんの話をしてくれたのは中辻雅行さん(35歳)。
雅行さんは、独身のときからこのお店に約10年通っています。結婚前に、妻・愛実(あいみ)さん(31歳)の両親を、雅行さんが案内したこともあるほど大切にしている一軒なんです。
さらに、「子どもが生まれたときは、ほかのお客さんの迷惑になると思ったから電話で報告だけしようとしたんですけど、大将が『かまへん。うちは小さい子どもも大丈夫なように座敷を作ってるんやし連れてきいや』って言ってくれて」。それ以来、長男・颯人(はやと)くん(0歳)も一緒に、月1回は来ています。
「いつも常連さんが遊んでくれるんです。僕は妻への気づかいが足りていない部分を大将からよくだめだしされています」と雅行さん。愛実さんは「言ってくれてありがたいです(笑)。この子が20歳になったらここで一緒にお酒を飲みたい。大将、ずっと続けてください!」。