読者の、「これってウチの周りだけ?」を紹介します

地域の活動をアピールするために誕生 「〝七三学区〟には、『なみっとくん』というゆるキャラがいます」OKさん

眉の上がり具合、目の形など、細かい部分までこだわって、この姿になったそう。背中の模様は、七つのうち三つが星。これも七三学区を表現しています

七条第三学区自治連合会広報委員会代表・田中正一さん

クリッとした大きな目が愛らしいこのゆるキャラ、ナナホシテントウの「なみっとくん」です。7月3日生まれの男の子で、髪形は七三分け。この“7”と“3”へのこだわりに何か秘密がありそう!

「なみっとくん」が誕生したのは、京都市下京区の七条第三学区。2014年からイベントなどに登場して、通称〝七三学区〟をPRしています。

京都市中央卸売市場や京都リサーチパークが近くにある同学区は、住宅やマンションが多く立つマンモス学区。ここに何かシンボルをと、有志でゆるキャラ制作プロジェクトが発足し、デザインを全国から募集。およそ40点の中から学区内の男性が応募したナナホシテントウをモチーフにしたキャラクターが選ばれました。

七条第三学区自治連合会広報委員会代表・田中正一さんによると、さらにそこから七三学区らしさをプラスしたとか。

「七条第三小学校の体操服を着せたり、七三分けにしたり、プロジェクトメンバーのアイデアを盛り込みました」

運動会で子どもたちに景品を渡したり、ほかのゆるキャラとイベントで共演したりと、登場以来、ひっぱりだこの「なみっとくん」。さまざまな場所で同学区をアピールしています。

あの遊びとも意外な関わりが 「中京区聚楽廻にあるうちの町内では、地蔵盆のときに数珠回しをします」HMさん

子どもたちが輪になって数珠回しを行います ※写真提供/読者HTさん(HMさんの町内とは異なります)

花園大学文化遺産学科教授の芳井敬郎さん

読者・HMさんのアンケートにあった“数珠回し”。主に地蔵盆の際、子どもたちが輪になって大きな数珠を回し、祈りをささげるという儀式です。

京都市文化市民局文化芸術都市推進室文化財保護課の「『地蔵盆』に関するアンケート調査」(調査期間2013年9月上旬~12月末)によると、数珠回しをしているのは京都市内でも全体の42・5%。ちなみに“お菓子配り”は全体の90・5%とのこと。

京都の文化に詳しい花園大学文化遺産学科教授で、京都民俗学会会長の芳井敬郎(たかお)さんに聞くと、「“数珠繰り”とも呼びますが、知恩寺の“百萬遍念珠繰り”が有名です。後醍醐天皇の時代、疫病退散のために百万遍念仏が始まったといわれています。そのため、数珠を回しながら念仏を唱えるという形式がとられたのです」

この形が室町時代以降、庶民にも広がり、地蔵盆に限らず寺院や村々で雨乞い、病よけなどに多人数で円になって数珠繰りを行ってきたのだとか。

「円を作る。ここに日本人の精神性をみることができるんです」という芳井さんの口から次に出てきたのは、「かごめかごめってあるでしょう?」

えっ、子どもの遊びの…?

「円の中にいるのは鬼ですが、鬼というと今では悪者というイメージがありませんか。実はそうではありません。異界からやって来る鬼は“宝をもたらす”ともいわれ、ありがたい存在だったのです。その鬼を、数珠繰りにおいては地蔵菩薩と考えるとどうでしょう。円を作ることで異界と俗世界を区切り、ありがたい存在である地蔵と、密接に縁を結べるのです」

数珠回しには、子どもたちと地蔵菩薩を結ぶという役割があったのですね。

向日市に響き渡る2つの音 「毎日夕方6時になったら音楽が流れます」STさん 「毎月1日夜8時、消防用サイレンが大音量で鳴ります」KYさん

向日市役所本館の屋上に設置されたスピーカー。バラバラの方向を向いて、町中に「市民の鐘 ひまわりチャイム」を届けています

向日市市長公室秘書広報課の湯川敬太さん

STさんの情報にある音楽は、「市民の鐘 ひまわりチャイム」。向日市役所の屋上に設置されたスピーカーから放送されています。

「長岡京遷都1200年の記念事業として、1984年の11月1日から始まりました。子どもたちに帰宅を促す目的で行っています」と向日市市長公室秘書広報課の湯川敬太さん。向日市で生まれ育った職員に聞くと、「小学校のときは、音楽が聞こえると帰る時間だなと思っていました」との実体験も。

30年以上毎日続いているこの放送。実は、季節によって曲が変わるんです。3~5月は「野ばら」、6~8月は「わたしの向日市」、9~11月は「夕焼け小焼け」、12~2月は「家路」が放送されています。

また、KYさんの情報にある毎月1日、午後8時のサイレンは、乙訓消防組合向日消防署と向日市消防団による消防団招集サイレンだとか。

「通常は火災が発生して、消防団の出動が必要な場合に鳴らすサイレンですが、毎月1日は『無火災推進日』として防火意識高揚の目的でサイレンを鳴らしています」(湯川さん)。こちらは公民館や防災センターなど、向日市内の8カ所から放送されています。

さて、「市民の鐘 ひまわりチャイム」を聞くべく、向日市役所で待っていると、空が薄暗くなってきた午後6時少し前。オルガン演奏のような、優しいメロディーが流れてきました。1分間ほど流れるこの音が、子どもたちに「家へ帰る時間だよ」と、昔も今も伝えています。

子どものときの〝スタンダード〟も調査

読者アンケートを見てみると、子ども時代の懐かしいワードもちらほら。そこでさらにアンケートを実施。記憶を呼び起こしてもらいました。

2チームに分かれてする「鬼ごっこ」の呼び方は?

約半数が「けいどろ」という答え。向日市、左京区、伏見区のほか、大阪や東京と、読者が住んでいたエリアはバラバラ。小学校5年生まで住んでいた八幡市では「けいどろ」、その後、引っ越した長岡京市では「じゅんどろ」と呼ぶようになったのはTMさん。

次に多かったのは「どろじゅん」。この答えの人は、京都市内に住んでいた人だけでした。そのほか少数派として「どろけい」「じゅんどろ」とともに挙がっていた中には、「どろたん」や「おいたん」という答えも。

刑事(警官?)、泥棒、巡査、探偵、おいはぎ…などの言葉を取ってのネーミングかもしれませんが、知っている人がいれば教えてくださいね。

組み分けをするときのジャンケンの掛け声は?

2組に分かれるときのジャンケンの掛け声については「ぐっぱで組んでもおこりなし」が約40%、「ぐっぱでほい」が26%。エリアの偏りは、アンケートからは特にみられませんでした。

「ぐっぱで組んでも文句なし」(SH・58歳・宇治市の小学校で)、「ぐっとっぱ」(ほたるいか・34歳・山科区の小学校で)も少数派でありました

偶然かもしれませんが、「ぐっぱで組んでもおこりなし」と答えた人は30~60代と幅広いのに対し、「ぐっぱでほい」と答えたのは40代、50代がほとんどでした。

夕方に出没するおばあさん

〝4時ばば〟を知っていますか。「4時ぴったりに女子トイレに現れるおばあさん」(りんご・39歳・北区の小学校で)、「学校に残っているとき、4時になると捕まえにくるおばあさん」(はな・46歳・右京区の小学校で)と、定義は決まっていないようですが、〝怖いおばあさん〟として認識されていたんですね。

この〝4時ばば〟を知っていたのは全体の約16%。1時間差で出てくる(?)〝5時ばば〟なら知っているとの答えもわずかですが、ありました。

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