寒さが厳しくなるにつれ、ますますつらくなるのが体の〝冷え〟。放っておくと、健康トラブルの原因になることもあるのだそう。専門家の解説やアドバイス、読者が実践しているセルフケアから、対策のヒントを見つけましょう。
読者アンケートによると、8割以上が「冷えに悩んでいる」との結果に。
「もともと“冷え”は、東洋医学に基づいた考え方。体に冷えをため込んでいる状態が『冷え“性”』または『冷え“症”』と表現され、さまざまな健康トラブルにつながると考えられています」。そう話すのは、明治国際医療大学鍼灸学部の講師・竹田太郎さん。
「手足が冷たい」「下半身が冷える」など、読者の悩みはそれぞれですが、どのような症状が“ヒエショウ”とされるのですか?
「その人が冷えを自覚し、ツライと感じていることが判断基準のひとつ。ただし、『人と比べて寒がり』『腹部に触れると冷たい』など、本人が体質と思い込んでいたり、自分では気づきにくいような冷えのサインもあります」
冷えは症状や体質、原因などによって分類され、「自分の冷えタイプを知っておくことは、対策のヒントにもなります」と竹田さん。まずは左の表でチェックしてみて。
下記項目をチェックしてみましょう。チェックした数が多いカテゴリーがあなたのタイプです。自覚がない人も、当てはまる項目が多い場合はヒエショウ予備軍の可能性が。
※これらのタイプが、複合して表れる場合もあります
「体内の熱の多くは筋肉で産生され、温められた血液は筋肉の働きによって体の隅々に運ばれて、全身の体温が保持されます。その体温を適正に調節しているのが自律神経。外気温や体調などに応じて血管を広げたり縮めたり、汗腺を開いたり閉じたりして調整しています。これらの働きの低下やバランスの乱れから、冷えを招くこともあります」
不規則な生活リズムや暑い時季の冷房環境などが自律神経のバランスを乱す要因に。他にも、その人が持って生まれた体質、日頃の食生活や服装など、いろいろな要素が複雑に関わって冷えにつながっているとのことです。
「中でも末梢の冷えは、甲状腺機能の異常、動脈硬化といった病気が潜んでいるケースもあるので注意が必要です」
ヒエショウの女性は、生理が重い、周期が不順といった月経にまつわるトラブルが多くみられ、難産の割合が高いという報告もあるそう。
「冷えを見過ごしていると、いずれは他の体調不良や、病気へと進行していくかもしれません。予防のためにも、日頃から冷えを取り除くセルフケアを心がけましょう」
「冷え」をテーマとした研究をはじめ、医療現場では冷えの担当医として改善を指導。企業と協同で対策アイテムの開発にも取り組んでいます
「リビング京都」の読者の8割以上が「冷えで悩んでいる」という結果が出ました。〝京の底冷え〟の環境で生活をしているので、この結果にも納得ですね。
━と、そこで気になるのが、ほかの地域ではどのくらいの人が冷えで悩んでいるかということ。リビングネットワークの仙台リビング新聞社と南日本リビング新聞社(鹿児島)に協力してもらい「冷えの悩み率」を探りました。
結果は表の通り。京都に住む人は仙台の人よりも冷えに悩んでいる人が多いんです。鹿児島はさすが、「非常に悩んでいる」が6%と断トツに低い割合でしたよ。