冷えに悩んでいる読者のセルフケアを専門家がチェック。
それぞれの対策にアドバイスをしてもらいました。
「確かに、ショウガには発汗をもたらす成分が含まれています。冬が旬の野菜や根菜類にも体を温める作用がありますよ。いずれも、鍋料理に入れるなど、加熱して温かい状態で食べると、より効果が高まります」と竹田さん。
一方、体を冷やしやすいのは生野菜、暑い時季が旬の野菜、フルーツ類など。
「そのほか、冷たい飲み物は体の内側の冷えを助長するので、暑い時季であっても温めて取るようにしましょう。また、過度な食事制限によるダイエットは筋肉まで減らしてしまうので要注意。自律神経を整えるには、規則正しい食習慣を心がけることも大切ですよ」
「寒い時期は、特にショウガを取るようにしている」という読者が多かったため、より良い摂取法を京都文教短期大学食物栄養学科の講師・岩田美智子さんに教えてもらいました。
「手先や足先を動かすのは、自律神経を整える方法でもあるんです」と、竹田さんは話します。「ウオーキングを実践している人は、かかとから着地し、つま先を蹴りだすように歩いたり、腕をしっかり大きく振ったり。末端を意識しながらも、体全体を動かすような歩き方を」
筋肉を動かすことで熱が発生して体が温まり、筋肉量の増加は血行促進にもつながるので、運動は冷え改善のための重要なポイントとか。
「外が寒いときは、暖かい室内でストレッチや体操を。ストレスも冷えの原因になるので、無理なく続けられる運動を取り入れましょう」
足指の簡単エクササイズを教えてくれたのは、健康運動指導士の芳賀明子さん。
「足指の運動は足先を温めるだけではなく、下肢の筋肉も刺激するので、全身の血行促進にも有効。テレビを見ながら、入浴しながら行うといいですよ」
「医学的にも理にかなった方法です。素晴らしい!」。竹田さんによると「動脈は温かい血液を全身に運ぶ重要な血管で、多くは体の深部に位置しています。ところが、首・手首・足首の動脈は体の表面近くにあるため、そこから外部に熱が逃げやすいんです」とのこと。
読者が温めているポイントは、体の熱を守るうえでも的確なんですね。
「その部分を締めつけるような衣類や靴下は、逆に血行を妨げてしまうので、ゆったりフィットする着心地のものを選ぶようにしましょう」
「足が冷たくて眠れない」「布団に入っても、なかなか体が温まらない」と悩む読者の対策に、竹田さんは─。
「湯たんぽや電気あんかの良い点は、寝返りを打ちながら、寒いと感じたら近づいたり、熱いときは離れたりして調整しやすいところ。一方、電気毛布は広範囲を温めるので、熱いと感じても逃げ場がなく、大量に寝汗をかいてしまう場合があります」
汗には体の熱を放出する作用があるので、かえって体を冷やしてしまうことになるそう。電気毛布を利用する場合は、寝る直前にスイッチを切るか、タイマーを使うなどの工夫をしてみては。
「靴下をはくことも冷え対策に有効。おすすめは汗を吸収し、乾きやすい綿素材などです。重ねばきをしている人もいるかもしれませんが、もし、よく汗をかいているなら枚数や素材を見直してみましょう」
「入浴は冷えを和らげ、血行を促すので、夏でもお湯につかる習慣を。特に半身浴は心臓への負担が少ないので、長く入浴していられるのが利点。40度くらいのぬるめのお湯に15〜20分、うっすら汗をかくまで入ると、血管や汗腺の体温調節機能のトレーニングにもなります」
「足湯をする」(FM・45歳)という読者もいました。
「足先の冷えには即効性がありますが、お湯が冷めていくと逆効果に。差し湯をしながら、温度を一定に保つよう工夫しましょう」