地元の自慢の店やスポットを、読者が〝わがまちサポーター〟として発信。3つに分かれた「リビング京都」の配布エリアのうち、今回は西南版エリア(右京区、南区、西京区、伏見区、向日市、長岡京市、大山崎町)のわがまちサポーターに登場してもらいました。住民だからこそ感じる、地域の魅力とは? ※この先、東南版も特集する予定です
午前10時。「鮮魚太田や」(西京区川島東代町54-7)の店先には、仕入れたばかりの魚が並びます。
「魚は伊勢から直送。生け締めにし、神経を抜いて鮮度を保っているんです」とは、店主の太田和穂さん。次々とやってくるお客さんに「今日はアジ、イサキ、あとコチもあるよ」と声を掛けているうちにも、予約の電話が鳴り出します。
そんな和穂さんをサポートするのは妻・幸子さん。「お客さんはもちろん、町の人への声掛けも大切にしています。子どもが懐いてくれることもあるんですよ」と幸子さんが言うように、わがまちサポーター・森田りささんの息子の晴翔(はると)くんも、太田さん夫婦に会えてご機嫌に。
「目の前に公園があるので、子どもがよく通るんです。こちらも元気がもらえますね」(和穂さん)
孫と参拝する人、ろうそくを立てて熱心に祈る人、脇のベンチで休憩する人。「油掛地蔵」には、代わる代わる近所の人が立ち寄ります。
京福「鹿王院」駅から北へ約340m、有栖川と交差する一つ手前の道を東へ。古くから親しまれてきた地蔵は、地元有志による「油掛地蔵奉賛会」が交代で手入れをしています。「前を通ると、いつもひしゃく、線香などが用意されていて、地域でこのお地蔵さんを守っているのだなと感じます」と、わがまちサポーターの山﨑一成さん。
長い間油を掛けられてきた地蔵の顔は、今でははっきりわからなくなっているほど。同会によると、創建は鎌倉時代末期で、江戸時代初期の資料に油売り商人が地蔵に油を掛けて参拝したことが記されているといいます。高価だった油を掛けて、大切な願いを祈ったのですね。
長岡京市のバンビオ広場に出現するテントの数々。月に一度開かれる「青空個展市」では、アクセサリー、陶芸品、雑貨、食品など、多彩なジャンルの店が集まります。
「平日もにぎわうような仕掛けができればと思い、手作り市を企画しました。もの作りを頑張っている人を応援したいという気持ちもありました」と、主催者の宮崎たかしさんは話します。9年前から実施され、過去には100店以上が出店したことも。
「この小物入れはどうやって作ったの?」「端切れを縫い合わせてね…」と、会場のいたるところで買い物客と出店者が会話をする光景が。隣り合った出店者同士が仲良くなったりと、さまざまな交流が生まれているようです。
毎月20日に開催。次回は11月20日(金)。※20日が土曜または日曜の場合は日にちを変更
桂坂公園(西京区御陵大枝山町4丁目)の西側には、フェンスで囲まれ施錠されている森があります。春と秋の年2回、一般公開されるこちらに何があるかというと…。
「14基の古墳が保存されています。正式には大枝山古墳群といって、6世紀後半~7世紀前半の円墳が森の中に点在しているんです。古墳は横穴式石室で、3基は中に入ることができます」とは、京都市文化市民局文化財保護課の堀大輔さん。管理をしている地元有志「桂坂古墳の森保存会」の尽力で、一般公開が実現しているのだとか。
公開日には自由に出入りでき、同会による案内、勾玉(まがたま)作り体験なども実施されます。「住宅地にありますが、近隣住民でも古墳のことを知らない人もいます。古墳に親しむきっかけになれば」(堀さん)
11月15日(日)午前10時~午後4時(3時30分受け付け終了)に公開。入場無料、予約不要。