サンマ、サバ、秋ザケ、イワシ。この季節に旬を迎える魚が食卓に上る機会が増えてきたのでは。塩焼きなど定番の調理法もいいけれど、時にはもうひと手間! 〝プロの技〟で、秋の魚の新しい魅力を味わって。
※写真は2人分
厚凛(こうりん)
樋口厚介さん
「かつおだしがきいた和風の南蛮漬けです。サバはムニエルにするので、揚げ物を作るのが苦手な人にもおすすめ。
キノコは好みのものでOK。数種類使うことで、食感の違いが楽しめます。キノコを炒めると出てくる水分をしっかり飛ばすこと、サバを熱いうちに南蛮酢と合わせることがポイントです。作って2~3時間で食べられますが、一晩冷蔵庫で寝かせるとさらにおいしくなります」
- ●サバ…4切れ
- ●タマネギ…1/2個
- ●エリンギ、マイタケ、シメジ、エノキ…各1パック
- ●シイタケ…2個
- ●プチトマト…4個
- ●小麦粉…適量
- ●ごま油…大さじ1
- ●塩・こしょう…適量
- A
- ●かつおだし…200cc
- ●酢…150cc
- ●しょうゆ…大さじ3
- ●みりん…大さじ2
- ●酒…大さじ2
- ●砂糖…大さじ5
- ●塩…ひとつまみ
- ●タカノツメ…少々
- ●ミツバ…適量
- ●カボス(スダチやユズ、レモンでも可)…1個
- ①合わせたAを鍋でひと煮立ちさせて南蛮酢を作り、冷ましておく
- ②タマネギは5mmの厚さにスライスする
- ③エリンギは食べやすい大きさに切り、マイタケ、シメジ、エノキは石づきを取ってほぐす。シイタケは4~6等分にカット
- ④プチトマトは半分に切る
- ⑤フライパンにごま油少々(分量外)をひき、中火で❷と❸を炒める。焦がさないように気をつけながら、キノコから出る水分を飛ばす
- ⑥❺に❹を加え、ひと混ぜしたら火を止め、❶に漬ける
- ⑦サバは軽く塩・こしょうをし、小麦粉をまんべんなくまぶす。フライパンにごま油をひいて弱火にかけ、温まったら皮を下にして焼く。焦げ目がついたら裏返し、火が通るまで焼く
- ⑧❼をバットに広げて並べ、上から❻をかけ、2時間以上置く
- ⑨器に盛り付け、ミツバを飾る。半分に切ったカボスを添える
※写真は1人分
「〝フリカッセ〟とは、クリーム煮のようなフレンチの調理法のことです。ソースは生クリームが分離しないよう、沸騰させないことが大切。
秋ザケは火を通し過ぎないほうが、軟らかくおいしく仕上がります。調理用のバーナーがあれば、仕上げに少しあぶるといっそう本格的。ジャガイモのかわりにご飯を使ってもしゃれた一品になりますよ」
Restaurant 信
奥村信宏さん
- ●秋ザケ…200g
- ●タマネギ(みじん切り)…1/4個分
- ●シメジ…1パック
- ●シイタケ…4個
- ●エリンギ…2本
- ●ジャガイモ…2個
- ●バター…10g
- ●生クリーム…200cc
- ●白ワイン…10cc
- ●粉末コンソメ…2~5g
- ●塩、こしょう、砂糖…少々
- ●付け合わせのゆで野菜(サヤインゲン、カボチャ、オクラ、マッシュルーム、ピーマン、パプリカ、ニンジンなど)…適量
- ①ジャガイモを皮付きのまま鍋に入れ、かぶるくらいの水を注いで中火にかける。沸騰したら弱火にして約20分。ゆであがったら皮をむき、半分に切る。塩少々をふる
- ②シメジは石づきをとってほぐし、シイタケとエリンギは半分にカット
- ③フライパンにバターを入れて中火にかけ、タマネギが透き通るまで炒める
- ④白ワインを加え、沸騰したら❷を入れる。キノコがしんなりしたら生クリームを注ぎ、コンソメ、塩、こしょう、砂糖で味を調える
- ⑤秋ザケは皮を除いて一口大に切る。沸騰直前まで温めた❹のソースに入れて1分~1分30秒加熱する
- ⑥皿に❶のジャガイモを盛る(底を少しカットすると安定がよくなる)。❺のキノコと秋ザケ、ゆで野菜を盛り付け、ソースをかける
※写真は2人分
cenci(チェンチ)
坂本健(けん)さん
「旬の食材はシンプルに味わいたいので、調味料は、ほぼ塩と白ワインビネガーだけ。内臓をまるごと使って〝キモのソース〟を作りました。
サンマの下に見えるジャガイモは、手でくずしています。焦げ目が均一でないほうがよりおいしそうに見え、味にもアクセントがつきますよ。この料理には、ホクホクとした男爵イモがおすすめです。ミックススプラウトはカイワレなどで代用できます」
- ●サンマ…2匹
- ●ジャガイモ…2個
- ●ミックススプラウト…適量
- ●ニンニク(スライス)…1/2かけ分
- ●ローズマリー…2本
- ●オリーブオイル…大さじ1強
- ●塩…適量
- ●白ワインビネガー…大さじ1
- ●レモン汁…小さじ1
- A
- ●塩…ひとつまみ
- ●白ワインビネガー…小さじ1
- ●オリーブオイル…大さじ1
- ①ジャガイモを皮付きのまま鍋に入れ、かぶるくらいの水を注いで中火にかける。沸騰したら弱火にし 、約20分ゆでる。スッと竹串が通る軟らかさになったら取り出す。少し冷めたら皮をむき、粗めに手でくずす。軽く塩をふる
- ②サンマの内臓を取り出す(「ポイント」の写真参照)
- ③❷を三枚におろし、塩をふる
- ④フライパンにサラダ油(分量外)を薄くひき、❸を皮の面から焼く。焼けたら裏返して、火が通ったら皿に取り、レモン汁をかけておく
- ⑤フライパンにニンニク、ローズマリー、オリーブオイルを入れ中火にかける。ニンニクは、オイルに香りがうつったら取り出す。❶を加え、じっくりと焦げ目がつくまで焼く(あまり触らないこと)。キツネ色になったら、ワインビネガーを回しかけ、軽く混ぜて火から下ろす
- ⑥〝キモのソース〟を作る。小鍋にサラダ油(分量外)を薄くひき、 ❷をゴムベラなどでつぶしながら中火で加熱する。ペースト状になったらAを入れて火を止める
- ⑦皿に❺のジャガイモを盛って❹をのせ、❻のソースをかける。スプラウトとローズマリーを飾って、オリーブオイル(分量外)をたらす
「サンマの内臓を取り出すときは、腹側に包丁を入れ、尾のほうから頭へと開いていくこと。こうすると包丁の刃先が当たって身がボロボロになりません。内臓は、スプーンを使ってこそげるようにするとやりやすいですよ」