「老後難民」という言葉があるのを知っていますか? そういう言葉を聞くと、一瞬ぎょっとしますよね。高齢化社会ということは分かっていても、実際年金をもらう年になるまではなかなかピンとこないという声も多く聞きます。そこで、老後をいきいきと暮らしている人、充実した老後を送るために準備している人にインタビュー。老後難民ならぬ、〝老後ハッピー〟に暮らすための参考にしてください。
「静岡で農業をしていた実家の影響か、いずれは農業がしたいと思っていました」という大山崎町在住の永田殿兒さん(68歳)。エンジニアとして多忙な日々を送っていた40歳ごろから、家族とは移住先や資金の相談をしていたそう。50歳で早期退職をし、京北町に移住。念願の農家生活の後、「もう一度住み慣れた街で暮らしたい」と大山崎町に戻ってきたのが昨年。現在は、次男家族と同じ地域に暮らし、孫の通う小学校で用務員をしています。
永田さんは用務員の仕事の傍ら、農業経験を生かし、小学校の花壇整備を行ったり、地元の竹林整備などにも積極的に参加しています。
「この地で自分には何ができるだろう?と常に考えています」。そうすることで「おのずと地域とのつながりが生まれ、自分の居場所がつくれる。友達もたくさんできるし楽しいよ!」
自分にできることを探して行動に移す―、何げないこの一歩がハッピーな毎日への道なのかもしれませんね。
「月に8〜10回も乗馬クラブに通うほど、ハマってしまった」というのは、伏見区在住の本間照美さん(64歳)。本間さんが乗馬を始めたきっかけは、ご主人の突然の他界でした。
「家で倒れて、そのまま…。あまりにも急で気持ちの整理がつかず。そんなとき、夫と2人で行ったことのあるお店の隣に乗馬クラブがあることを知り、これも縁だと入会を決めました」
クラブに通う中でさまざまな年代の友人ができ、それが刺激になったという本間さん。「乗馬の大会に出場したり、フェイスブックを始めたり。世界が広がっていくのが楽しい」と言います。「もちろん乗馬にかかる費用や日々の生活のことなど心配は尽きませんが、悩んでも仕方ない! 限られた中でいかに楽しむか。今の自由な暮らしは、夫が私にくれた〝プレゼント〟だと思っています(笑)」
どんなときも「楽しむ」ことを忘れない本間さんの前向きな姿は、老後生活のヒントになりそう。