リビング読者の“京美人度”アップを目指し、4月からスタートした「京美人プロジェクト」。第3弾は、京都ならではの「暮らし方」について。古くから京都の人々が行ってきた日々の営みを、いまも続けている─。読者から「京美人の条件」に挙げられた要素のひとつです。
右上に並ぶのは「読者に聞いた、京美人の要素」として多かったもの。“京美人”は、京都の歴史や文化の知識があって、丁寧に暮らしているようです。 そこで、京都・西陣の呉服商「冨田屋(とんだや)」13代目の田中峰子さんに、伝統や風習を大切にした暮らし方について聞きました。「こういう暮らしがなくなったら、京都の良いところがなくなってしまうように思います」。同家は、商家と住宅を兼ねた造りの町家。代々受け継がれてきた風習や行事を、今も大切にしています。
朝、玄関や台所、井戸、蔵など築100年を超える町家のあちらこちらに祭られている神棚を拝む“神さんごと”から始まるのが冨田家の暮らし。「24歳で嫁(とつ)いでから、母や祖母が精魂を込めて日々の決まり事や年間の行事をとり行っている姿を間近で見てきました。京都は、毎月のように行事があり、それに合った飾りやしつらえもかかせません」と田中さん。「風習やしきたりを守り、続けていくのは、しんどいことです。でも、そのひとつひとつに家族の健康や子どもの健やかな成長、家業の発展といった願いが込められています」
当初は「なんでこんなことするんやろう」と不思議に思ったものもあったそう。そこで、田中さんは、伝統的な風習やしきたり、行事について、書物などをひもとき、徹底的に調べました。
「たとえば人形は、もともと自分の厄災を移した人形(ひとがた)を川などに流してけがれをはらう行事の道具。ひな人形には、女の子に災いがふりかかりませんように、美しく成長し結婚に恵まれ、幸せな人生が送れますようにという親の願いが込められています。ほかにも、体調を整える効果があったり、邪気をはらうものだったり、夏は涼しく冬暖かくするための工夫などもたくさん。昔の人の生活の知恵はすばらしい」という考えに至ったのだそう。
形式だけでなく、その意味を深く理解すれば、暮らし方もおのずと整うのかもしれません。2ページ目では、読者の関心が高かった「行事」「住まいのしつらえ」「食」についてまとめました。