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夏の水分補給 それ、ホントに大丈夫!?

ここ数年、熱中症患者の急増で、私たちの水分補給への意識も変わってきました。そこで、読者に「夏の水分補給」についてアンケートを実施。「私の対策で大丈夫?」「この方法は正しい?」など、読者のギモンや不安を解消すべく、三菱京都病院・心臓内科の河野裕さんに話を聞いてきました。

教えてくれたのは
河野裕さん
三菱京都病院
心臓内科副部長

リビング読者のアンケート(※)では、夏の水分補給について、「日ごろから心がけていることがある」という人が67%、「気付いたときに」という人が25%。90%以上の人が、何らかの対策をしていることがわかりました。

では、どんなことをしているのか尋ねると…。「のどが渇く前に定期的に飲む」「運動したときは飲む」「氷をなめておく」など、その対策は人それぞれ。

河野さんからは「水分補給は、熱中症対策において、とても大切なことです。過剰に意識し過ぎる必要はありませんが、適切な取り方を知ることで、さまざまなリスクを回避することができます」とアドバイスが。 

読者アンケートで多かった水分補給の方法について、適切かどうか河野さんに教えてもらいました。
(※)リビング読者へのアンケート、有効回答数62人

Q1/のどが渇く前に水分を取るようにしていますが

OK

のどが渇いたときには、すでに体内の1〜3%の水分が失われているといわれています。

「のどが渇くのは、体のサインです。普通の環境であれば、このタイミングを逃さずに水分補給をしていれば問題ありません」(河野さん)

また、尿量の減少もサインのひとつなのだとか。「体の中の水分量に余裕がなくなると、尿量が減ってしまいます。そんなときは意識的に水分補給をしてください」

高齢の人、運動をする人は意識的に補給を

読者のアンケートでも「トイレに行くのが面倒だから水分を取らない」「つい飲むのを忘れる」という高齢層からの意見がありました。

「高齢者、中でも体が弱っている方は注意してほしいです。摂取の目安は2時間ごと。手元に置いて、いつでも飲めるように、お茶などを用意しておきましょう」

また、子どもの水分補給のタイミングについて心配という声も、多く寄せられました。「赤ちゃんであれば2〜3時間おきの授乳やミルクで大丈夫。幼児や学童期の子どもであれば、遊びに夢中になっていても2時間ごとくらいに、声かけをしてあげてください」

ただし、「運動時は別の対策が必要です。発汗による損失を見越して、健康な人でも20〜30分おきに水分補給をする方がいいですね」とか。

Q2/少しずつこまめに水を飲んでいますが、量が足りているか心配です

OK

「いい補給の仕方は、こまめに少しずつです。約2時間ごとにコップ0.5〜1杯程度、寝る前、起床時にコップ1杯の水分を取ることが理想的です。食間、入浴の前後にも摂取できると、さらに良いでしょう」

でも、水分ばかりそんなに飲めない…という人も多いのでは。そんなときは、「食事に汁物を加えてください。食事からも水分補給ができますよ」とのこと。

Q3/夏はビールが私の水分補給です!

NG

「気持ちはわかりますが、これは危ないですね」と、河野さんも渋い顔。

「アルコールやカフェインには利尿作用があるため、水分補給には適しません。飲んだ分は出る、と思ってください。また、アルコールを摂取すると、汗もかきます。〝お酒を飲むときは、水を一緒に飲む〟ことを忘れないでください」

注意すべきは糖分と塩分

アルコール・カフェイン以外にも注意したいのが、糖分と塩分。

「水分補給の基本は水かお茶。お茶でも緑茶にはカフェインが含まれるため、避けた方がいいですね」とのことですが、アンケートでは、「水は味がなくて飲みづらい」という声も…。

「少量の糖分が含まれている方が腸管での吸収がよくなるので、スポーツドリンクも効果的です。が、だいたい1ℓで約ご飯1膳分の糖分が含まれています。最近は経口補水液と呼ばれる商品も出ており、これらが塩分も補給できて、おすすめです。ただし、ほとんどの方が普段の食事で1日10g以上という十分すぎるほどの塩分を摂取しています。きちんと食事が取れているならば、塩分を積極的に取る必要はありません」

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