暑くなるとよ〜く冷えたものがついつい欲しくなりますが、できれば避けたいところ。
「冷たいものばかり飲むと胃の働きが低下したり、腸を刺激して下痢を起こす原因にもなります。腸で吸収されやすい水分の温度は5〜15℃といわれています。ただ、温度の高いものは量が飲めなくなるので、無理に飲む必要もありません。まずは、水分量を確保することの方が重要です。体の様子をみて調節してください」
スポーツをしていると、汗をかいて2〜3ℓの水分を消失するといわれています。それを補おうと、過剰に水分補給を行うことで思わぬリスクがあるのだそう。
「汗をかくと水分だけでなく、塩分(ナトリウム)も同時に失います。それなのに水だけを取り続けると、血中のナトリウム濃度が薄まります(低ナトリウム血症)。体はナトリウム濃度を元に戻そうとしますので、せっかく取った水分を尿として排せつしてしまいます。結果的には汗をかく前の体液の量を回復できず、脱水が改善しません。そのため、大量に汗をかくときには塩分も同時に補給することをおすすめしています。さらに、体が対応できないほどの量の水を取ると、低ナトリウム血症が進行し、疲労感、頭痛、悪心、けいれんなどの症状が生じることがあります(水中毒)」
運動後、大量に汗をかいたのに体重が増えている―そんなときは注意が必要です。水を飲み過ぎているのかもしれませんよ。
飲料水 | 1000㎖ |
---|---|
食物から得る水分 | 1000㎖ |
体内での代謝水 | 300㎖ |
日常生活では、1日1.2ℓの水を飲むことが目安。体重の2%以上、水分が減らないように注意を。
尿 | 1000㎖ |
---|---|
便 | 150〜200㎖ |
生理的に失われる水分 | 900〜1000㎖ |
軽い発汗、室温30℃時でプラス500㎖、運動時などの発汗でプラス2〜3ℓの水分を失います。
体重計にのって、体重の減少が①②の場合は即対応して
熱中症にならないためにも必要な水分補給。ただし、どんなときでも単に水気のものを飲めばいい、というわけではありませんね。 飲むタイミング、量、種類をきちんと知って、出かけるときはもちろん、家の中や屋内でも注意しましょう。