ストレスのない空間で快適に過ごしたい─。だれもが願うことですよね。ただ、理想の住まいを
かなえるのは、なかなか一朝一夕にとはいきません。
そこで、リビング読者にアンケートを実施。新築やリフォームで〝快適生活〟を実現している人たちに、紙面に登場してもらいました。これから、新築やリフォームを考えるみなさん、参考にしてくださいね。
「お客さまを呼ぶのが大好き。1階のLDKは20畳あるので、大人数でもくつろげるところが気に入っています」と読者の栗林民恵さん。
栗林さん一家が現在の家を建てたのは2007年。それまでは公団の2DKに家族4人で住んでいました。
「手足を伸ばせるスペースが家のどこにもないんです。6畳間に家族で寝ていましたが、4人が並べず、私だけが横向きの『川の字』ならぬ『山の字』状態で寝てました(笑)」
そこで、2005年ごろにマイホーム購入を決意。昔から住まいへの関心が強かった民恵さんは、20代のころから〝マイホーム貯金〟をしていたそうで、「『やっとこの日が来た!』と大はりきり」だったと言います。
さまざまな住宅展示場へ足を運び、工場見学があるときは必ず参加したという栗林さん夫妻。「防湿や耐震の決め手となる『壁紙の向こう側』を見せてもらえる機会は貴重ですから」と民恵さん。「夫が防錆(さび)処理の仕事をしているためか、わが家は湿気に敏感。最終的には『棟上げは晴天の日にしか行わず、構造材を湿気から守る』という、あるハウスメーカーの方針に賛同し、そこに注文住宅を頼みました」
このほか、すでに家を建てた友人宅を見せてもらい、生の声を聞いたことも役立ったそう。
「LDKの広さも、大人数の集まりをよく企画してくれる友人宅が15畳で、『いいな』と思ったのがきっかけでした」
各方面からのリサーチによって完成した理想の家。キッチンのシンクや和室の入り口の高さは、長身の民恵さんに合わせたサイズ。バスタブも大きめだとか。
「団地時代は足を伸ばせるお風呂に入りたくて、休日にスーパー銭湯に出かけたり、実家を訪ねたりしていました。でも、この家ができてからは、もうどこにも行きたくない! 両親にも、うちに来てくつろいでもらっています」
出野るみ子さんの家族は、大学生の長男・竜太さんをはじめ、男の子が3人と夫婦2人。一家5人で暮らしています。今の家に暮らし始めたのは18年前、竜太さんがまだ4歳でした。
「子どもたちも成長して、自転車が5台、バイクも2台に増えました。車庫の奥のほうに押し込めるように止めていたんですが、やはり出し入れが面倒で、時間もかかるし、なんとかしたかったんです」
そこで、るみ子さんは、思い切って玄関まわりの木や門を一気に取り払い、駐車スペースを確保。
「自転車は、毎日通学に使っていたので、とても不便で。いまはすっと出せるので、楽になりました」と竜太さん。
このリフォームが6年前。それから、毎年のように家のあちこちを新しくしています。
「6畳の部屋にキッチン、冷蔵庫、食器棚、そして家族5人が座る食卓を置いていました。椅子から立って動くのも、隙間を縫うようにして歩いて。ぶつかるたびにケンカですよ。テレビなんて置く場所もなかった」
毎日のお弁当など料理作りも窮屈な状態でしていたので、「次はここだ!」と、複数の工務店に相談し、いくつか提案を出してもらったそう。その中からピンとくる案を出してくれたところに、いろいろ要望をぶつけ、相談しながら、具体案を作っていきました。
「隣にあった3畳くらいの部屋をキッチン空間にして、それまでの部屋はリビングだけに。消防法の関係で窓を小さくしたりもしないといけませんでしたが、広々キッチンに、人の動きを気にしなくていいリビングは、まさに快適です」
お風呂も「大きくなった子供たちが足を伸ばして湯船につかれるように」と、1年前にリフォーム、今年に入ってトイレも少し広げて、節水タイプのものを入れました。
「子どもたちがこの家にいる間にしたいんです。家族みんなで少しでも快適に暮らしたい。少しずつリフォームしながら、少しずつ支払いながらですが、そのほうが働きがいもあるでしょ(笑)」