「肺炎が原因で、車椅子生活となった父を自宅で介護する」
北区のみいぬさんは、この決意にあたり、自宅のリフォームに取りかかりました。
みいぬさんの家は旧家で間口が狭く、車椅子での動線がとりにくい構造でした。特に男女別に仕切られた昔ながらのトイレは、大人1人がギリギリ入れるほどのスペースであったため、それぞれの個室の壁を取り払い、広々とした空間を確保しました。トイレの扉は、車椅子が出入りしやすいよう、アコーディオンカーテンに。「ストレスなく出入りができます」と、みいぬさん。
また、このトイレリフォームは、介助する側の負担を減らしただけでなく、介護される側の気持ちに寄り添ったものでもありました。
「父の意思が感じられる間は、自分のタイミングでトイレに行かせてあげたい」お父さんは足こそ不自由ですが、トイレの感覚はしっかりとあるのだとか。
「初めて車椅子でトイレに行けた日には思わず記念撮影をしました!」
リフォームによって、家族の目標を達成することができたといいます。
現在は、外構と門扉を取り払い、玄関から道路までをフラットにするための工事が進行中です。
「『ごめんね』じゃなくて、『ありがとう』」が、みいぬさん家族の〝介護のルール〟。介護する人、される人、どちらも気持ちよく暮らせる家―。自宅介護を考えるとき、参考にしたいですね。