いよいよ4月から消費税が8%に。〝景気は上向き〟なんて言われていますが、「わが家にはまだその波は来ていない」という声も聞こえてきそう…。そこで、買い控えなくても、家計の〝ムダ〟を見つけることで、春からもうま~くやりくりしていく方法を探ってみました。
「消費税がかかるのは、食費、水光熱費、通信費、レジャー費といった項目で、家賃や住宅ローン、医療費、生命保険料などには非課税です」と教えてくれたのは、日本ファイナンシャル・プランナーズ協会京都支部の常住良樹さん。「ですから、家計全体の3%の支出が増えるというわけではありません」。なるほど、課税される項目が家計に占める割合によるということですね。
では、実際にどれくらいの支出が増えるのでしょう? 常住さんに、ある家庭の例を示してもらいました(表)。
「実際の家族4人暮らしの家計簿をもとに算出したものです。あくまで、このケースの場合ですが、年間で6万5280円、月では5440円の支出が増えるという計算になります」
夫39歳、妻33歳、子ども7歳、4歳
夫の年収500万円、妻パート年収60万円。月の手取りは、夫27万円、妻5万円。児童手当2万円=月額合計34万円。夫ボーナス手取り80万円(年間)。
生活費を毎月の収入からやりくりし、夫のボーナスで、固定資産税などの支払いや家電の購入を行ったとします(★は消費税がかかる支出項目)。
住宅ローン 8万5000円 | |
★ | 食費 4万3000円 |
★ | 水光熱費 1万8000円 |
★ | 通信費 1万4000円 |
★ | 新聞・図書 6000円 |
学費(幼稚園の費用を含む) 2万1000円 |
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★ | 子どもの習いごと 1万2000円 |
医療費 5000円 | |
生命保険 1万6000円 | |
損害保険 6000円 | |
学資保険 2万円 | |
★ | 夫小遣い 3万円 (飲食代や物品購入など) |
★ | レジャー費 2万円 |
★ | ガソリン代 6000円 |
★ | 雑費 8000円(物品購入など) |
貯蓄 3万円 |
※消費税がかかる支出の合計
15万7000円の3%(8%−5%)=4710円
固定資産税 12万7000円 | |
自動車税 5万1000円 | |
★ | 家電購入など 11万8000円 |
★ | 衣類購入など 9万6000円 |
★ | そのほか 7万8000円 (飲食代や物品購入など) |
貯蓄 33万円 |
※消費税がかかる支出の合計
29万2000円の3%(8%−5%)=8760円
つまり、年間での4710円×12カ月=5万6520円と、ボーナスでの支出負担増8760円を合計して、年間6万5280円の支出増(月にすると5440円)
毎月およそ5500円。こうして具体例を見てみると、ズシリと重い金額ではありませんか?一体どこから捻出したらよいのやら…そんな思いは記者だけではないはず!というわけで、街でみなさんにも「毎月約5500円を節約するとしたら何をする?」とたずねたのが上の写真。
やはり水光熱費と食費に着目するという人が多いですね。ところが常住さんによると、それ以外にもチェックすべきところがあるとか。
「食費や水光熱費、小遣いを削るのは手を付けやすいところではありますが、なかなかストレスがかかることです。節約を考えるなら、住宅ローンや保険料など毎月必ず出て行く〝固定費〟も見直してみて。資料を比較したりして面倒な作業ですが、ここを減らすことができれば、家計に余裕ができます」とのこと。
そのほか、クレジットカードのポイントや特典を有効に活用するのもひとつの方法。「クレジットカードを何枚も持っていて、それぞれ年会費を払っているという人はいませんか? ポイントの付き方や特典を見比べて、自分にとって魅力的なものだけに使うカードを絞ったほうがお得です。〝ポイントたまったら、この特典と交換しよう〟というように、具体的に意識しておくと、気が付かないうちにポイントが失効した、なんてことにもなりにくいですし、楽しみも増えます。ただ、便利だからと衝動買いが増えないように気をつけてくださいね」(常住さん)