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蒸し、焼きもできて料理の幅がぐんとアップ!土鍋活用術

そろそろ食卓に登場する機会が増える「土鍋」。でも、鍋料理でしか使わない人も多いのでは。煮込み料理に使うイメージが強いですが、実は、さまざまな調理に向いているんですよ。そこで、土鍋の特徴とアレンジレシピを紹介。この冬は、家族でいつもと違う“鍋”を味わってみませんか。

年中通して使える万能調理道具。土鍋の厚さにうまさを引き出すヒントが!?

冬になるとどれくらいの頻度で土鍋を使う?
京鍋

“手びねり”という手法で作られた「京鍋」。雲井窯の主力鍋で、京都の料亭、ホテルをはじめ数々の飲食店でも使われているそう

読者アンケートでは、冬になると週に1回程度は土鍋で料理をする人が半数も!(表参照) 「寒くなって温かい食事がほしいときに」(コモモ/55歳)、「家族がそろったら」(SK/44歳)という声が多かったのですが、土鍋は実は“冬だけ”のものではないんですよ。

「土鍋は、ステンレス製の鍋に比べて分厚いのが特徴のひとつ。保温性が高いんですよ」と、滋賀県信楽にある窯元「雲井窯」の陶芸家・中川一辺陶さん。「何層にも重ねて作っているため厚みがあり、そのために熱の伝わり方はゆっくりですが、一度温まると熱い時間が長くキープされます」

ゆっくりと熱が伝わるというのは、“時間がかかる”調理法ともいえますが「少ない水分で調理ができるという利点も」と、料理教室「Nam Bo」の高谷亜由さんは話します。「ステンレスやアルミなどの薄い鍋は厚みのある土鍋に比べて熱が通りにくいため、土鍋は食材の水分やうま味をゆっくり出してあげるのに向いている」ということも。

また、土鍋の形にも“意味”があるそう。中川さんによると、「熱の伝わり方が鍋の中心からふちに沿って対流するように考えて、今の形になりました」とか。「対流しやすいよう、鍋底は角を作らず丸みを持たせていますよ」。素材にも、厚みにも、形にも、おいしさを生み出す理由が詰まっていました。

蒸して煮て、が一度に。料理は和洋問わずにできます

教えてくれた人

中川さん
陶芸家
中川一辺陶さん
昭和2年創業「雲井窯」の9代目。ごはん専用の土鍋を作ったのは同窯が最初といわれ、現在では全国の料亭向けにもさまざまな用途の土鍋を作っている
高谷さん
料理教室 講師
高谷亜由さん
ベトナム、タイ料理の料理教室「Nam Bo」主宰。京都市中京区で開講。同教室でもベトナムの土鍋料理を指導し、プライベートでも愛用している

寄せ鍋などの定番の鍋料理以外に、読者には「豆類を煮込むとき」(ぐどんママ/45歳)、「かぼちゃの煮物」(みーぬ)など、土鍋で煮込み料理を作っている人が。ほかにも「茶わん蒸し」(のぎく/48歳)という声もあり、「煮ると蒸すの両方が一度にできるのが土鍋の良さですよ」と高谷さん。ふたをすることでより熱伝導や保温性が高まり、“蒸し”にも適しているのでしょう。

「蒸す」と「煮る」を一度に行えるのは、ロールキャベツや、白菜や大根などの水分の多い食材を煮るとき。ハンバーグだとフライパンで焼いたあとに土鍋に移し、お湯を入れてふたをして蒸し煮にするなど、和洋問わずに料理ができます。「土鍋だから、と考えず、ゆっくり時間をかけて調理したいときや蒸しと煮るを一つでしたいときに、土鍋を使ってみてください」(高谷さん)

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