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新制度、税制改正でどう変わる?
知っておきたいお金のコト

「アベノミクスでデフレ脱却」「景気が上向き」「消費税アップ」といった、お金に関するニュースをよく耳にします。経済動向や税率の変更などは、私たちの生活にも大きな影響があるもの。ですが、細かい内容について理解するのはなかなか難しいですね。そこで、このところ変化しているお金の疑問について、専門家に教えてもらいました。※記事の内容は9月11日現在のものです


来年1月から
「NISA(ニーサ)」がスタート

最近、テレビや新聞でも取り上げられている「NISA」。イギリスの「ISA=Individual Savings Account」をモデルに作られていて、日本語では「少額投資非課税制度」と言います。平成26年1月から始まる株や投資信託に関する新しいこの制度の内容とは。

教えてくれたのは

メイキット有限会社 山副耕一さん
CFP®(サーティファイド ファイナンシャルプランナー)認定者
一級ファイナンシャルプランナー技能士

「NISAをきっかけに、初心者にも、株や投資信託に興味を持ってもらえたら。5年間非課税になる制度ですので、短期売買よりも長期保有を視野に入れて商品を選ぶとよいと思いますよ」

Q

株や投資信託にチャレンジする際、家計にあまり影響がでない程度の額でもできますか?

年間100万円までの新規投資が非課税に

「これから株や投資信託をしようと検討している人に知っておいてほしいのが、『NISA』。本来、株や投資信託といったリスク性のある商品の配当や売却して得た利益には、20%の税金がかかります(注)。NISAは、年間100万円までの新規投資に関しては、その20%の税金が5年間非課税になるというもの。平成35年までの10年間、この制度を利用できます」と山副さん。20%は大きいですね!

「年間100万円はあくまで上限なので、50万円だけ投資信託をやってみるとか、あるいは、まず50万円分投資して、ボーナスがでたら残りの50万円の枠を使って株を買うというように回数を分けることも可能です」(山副さん)

注:現在は2003年から始まっている優遇制度で10%に引き下げられていますが、この制度は今年12月で終了

Q

NISAを始めるには、まず銀行や証券会社などで専用の口座を作らなくてはならないとか。金融機関によって、何か違いはありますか?

口座開設のポイントは「品ぞろえ」と「手数料」

「NISAを利用するには、銀行や証券会社、ゆうちょ銀行などの金融機関で専用の口座を作り、株や投資信託をする際に、そのNISA口座で取引しなくてはなりません。開設できるのは、1人1口座。今のところ、一度開設した口座は原則4年間、変更できません」

あとで変更できないとなると、どの金融機関で口座を作るか悩んでしまいそうですが、どういったことに着目すればいいのでしょう。

「まずは自分がどんな商品を購入したいかを考えて。基本的に、投資信託は証券会社と銀行で、株は証券会社で取り扱いをしています。そのうえ、銀行や証券会社によって販売商品の内容は異なりますので、ラインアップをチェックするといいでしょう。そのほか、手数料も金融機関で違いますので注意して」

とはいえ、これはもうかった場合の利益にかかる税金の制度。やはり、しっかり自分で勉強しておくことが大切だとか。「株や投資信託にはリスクもあります。しっかり情報収集して購入することが重要です」と山副さん。

制度対象者 20歳以上の国内居住者
非課税対象 上場株式、公募投資信託などの配当や譲渡益
非課税
投資枠
新規投資額で年間100万円が上限(5年間継続すると最大500万円)
非課税期間 最長5年間
※期間終了後、新たな非課税枠への移行による継続保有が可能
投資可能
期間
平成26年~平成35年(10年間)
口座開設数 1人につき1口座

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