稲刈りが終わり、米売り場などには“新米”の2文字が並ぶころ。お米の“取れたて”のおいしさが味わえる季節になりました。そこで、地元に精通する人たちに聞いたおすすめの“ごはんのおとも”を集めましたよ。現地で愛されながらも知られざる、そんな一品を、生産者の声とともに紹介します。
梅干しとミョウガ、2つの偶然の出合いで誕生
梅みょうが(50g/370円)
久多山菜加工
かやぶき屋根が残る、左京区北部の久多(くた)地区。夏は涼しく、冬は雪深い厳寒な季節が特徴のこの地域では、豊富な山菜を生かした加工品が作られています。中でも、京都市北部農業振興センターの上村さんがすすめてくれたのが「梅みょうが」。
「ミョウガの香りがよく、梅との相性もいい」と生産者の足立良孝さんですが、実はこれ、偶然に出来上がったものだとか。「薬味として切ったミョウガと梅干しを同じお皿にのせていたら2つが混ざってしまい、食べてみるとおいしかったんですよね」
この発見後、梅肉と梅酢を足して味を調整したり、年中商品として出せるよう、生ではなく塩漬けにしたミョウガを使うなどの工夫をして商品化。梅の酸っぱさに、ミョウガの香りがほのかに漂います。
食べる”宇治茶が楽しめる新感覚のつくだ煮
お茶の佃煮 椎茸(1050円)
ちゃ〜がんじゅ〜カフェ宇治商工会議所の稲田さんが教えてくれたのは、「お茶の佃煮」。宇治で店を構える「ちゃ〜がんじゅ〜カフェ」が、「地元のものを使った商品を」と新たに作りました。
「飲むお茶はビタミンやカテキンなどの成分が含まれていますが、実は茶殻にもたくさんの栄養が残っているんです」と、同店店長の田中慎也さん。そこでお茶の成分をまるごと“日々の食事”で取れるようにと考えて、できたのだそう。
もちろん、使われるのは地元の名産・宇治茶。茶の風味が残るようにさまざまな宇治茶園の茶葉を使って試行錯誤のうえ誕生しました。ごはんの上にのせた瞬間に茶の風味がし、ほんのりとした甘さのシイタケと合わさって、“食べる”宇治茶が体感できます。