魚は身のある方から、鶏肉は皮から焼く
(TM/42歳)
「昔から『鶏皮魚身(とりかわうおみ)』といわれているように、そのように焼くことが多いですね。ただ、盛り付けたときに表になる側から先に焼くようにすることで、器に盛ったときにきれいな焼き色が見えます。そういうことから焼く順を考えるほうがいいですよ」(笹井さん)
魚の場合、切り身であれば皮が少ないときも、“盛ったときに表になる方から”とすると覚えやすいですね。
ハンバーグを作るとき、タネを左右の手の平で
キャッチボールするように動かす (A・I/45歳)
「空気を抜いてつなぎをよくすることで一体感が出るため、抜くことは大切」と笹井さん。「空気を抜くためにはさまざまな方法がありますが、手っ取り早いのが、パンパンと音を立てて手から手にタネを動かすこと」とも話します。
ただ、昔に比べてつなぎとなるもの(メリケン粉など)を多く入れる人が増えているため、過剰なほどにしなくてもいいそうです。
あえ物は食べる直前に混ぜる (りんご/36歳)
「あえ物を前もって混ぜておくと、野菜本来の持っている水分が調味料に染み出て、薄くなったり味がぼやけてしまう」と笹井さん。マリネのように漬け込む料理の場合は除きます。
生の野菜に限り、しょうゆやみそなどの塩気のあるものとあえると水分が出るので、直前がベターだとか。
「ただ、味を染み込ませたいという場合は、混ぜる分量のおおよそ半分を入れてあらかじめ混ぜておき、残りを食べる直前に加えるというのもいいですよ」(沖さん)
酢飯を作るとき、ご飯に酢を入れたらうちわであおぐ (Olive/42歳)
「ご飯が熱いうちに酢をかけると米粒に酢が浸透しやすいので、米にしっかりと味がつきます」と沖さん。笹井さんは「江戸前寿司はネタを食べる、関西の寿司はごはんを食べるという考えがあります。そのことから、あおぐと酢が飛び、ごはんに味がしみ込まないので、あおがないほうがいい」と。
ご飯の味のしみ込みを選ぶのか、選ばないかは好みで判断してもいいですね。
とんかつを作るとき、豚ロース肉などは調理前に
すりこぎでたたき、包丁で筋に切れ目を入れる (れいこ/38歳)
「たたいたり、切れ目を入れると軟らかくなりますが、その分うま味が逃げ出すことにつながります」と笹井さん。
筋を入れるとすれば、「赤身と脂身(白い部分)の間にタテに入れることで、焼いたときに肉が縮まりにくい」とか。
「30~40年前に出回っていた肉に比べ、今は若い肉が多い。若いと新鮮で柔らかいので、そんなに行わなくても気にならないのでは」と沖さん。
焼き魚を皿に盛るときは
頭が左にくるように(ちょこっとママサン/50歳)
サンマやアユなど一匹まるごとを盛る場合、大切なのは“食べやすさ”だそうです。
そのことから、「左に頭を置かないといけない、というのではなく、そうすることで食べやすくなる」と笹井さんは話します。
右利きの場合、箸を使うなら頭のある左から右に沿って身をほぐすと食べやすいですね。左利きの人には逆に置くというのもマナー違反ではないそうなのです。
カレーなどのスパイスは火を止める直前に入れる(Y・H/43歳)
「加熱することで辛味が増すもの、飛ぶものがある」と沖さん。唐辛子は加熱することで辛味が増すということで、火にかけて香りを出すことが多いですね。
笹井さんからは、「加熱して辛味や香りが増すのがクミンシード、シナモンスティック、ローリエなど。加熱時間を減らし、辛味などが飛ばないようにするべきなのは、ガラムマサラやチリパウダーなどが挙げられますよ」。
アクがあるから、変色するから、という理由でカットしたあとに水にさらす食材がありますよね。そこで、食材によって水、塩水、酢水のどれでするべきかを教えてもらいました。
食材 | 種類 | 理由 |
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ゴボウ | 酢水もしくは水 | 酸化防止のため |
ジャガイモ | 水 | 変色防止のため |
リンゴ | 塩水もしくは水 | 変色防止のため |
ナス | 水もしくは塩をかける | 変色防止のため |
サツマイモ | 水 | 変色防止のため |
玉ネギ | 水もしくは15分ほど そのまま置いておく |
辛味成分を抑えるため |
煮込み料理はもちろん、魚の煮つけや炒め物など、調味料を入れて火にかけるとき、「さしすせそ」の順で必要なものを入れるのが基本。この場合の「さ」は砂糖に加えてみりんも指します。
照りを出したい 料理の場合 |
みりんを最後に入れる 料理例/魚の煮つけなど |
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香りを生かしたい料理の場合 | みそやしょうゆを最後に入れる 料理例/みそ汁、サバのみそ煮、タイのあらだき、チャーハン(しょうゆを焦がして香りをだすため)、きんぴら(ごま油をかける場合)など |