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進化中です!アートの街・京都

伝統や文化を大切にし、芸術を育み、愛してきた京都。たくさんの芸術大学があり、街でもギャラリーをよく見かけますね。そんな“アートの街・京都”では、未来を担う若手芸術家を支援する動きや新しいプロジェクトが進行中です!

つくるビル/築20年のビルを、クリエイターたちが集う“ものづくりの場”に

つくるビル

五条新町にある「つくるビル」。4階建てのビルの2階にはギャラリー併設のカフェも

築50年以上が経過した4階建てのビルが、クリエイターたちのアトリエやカフェなどが入る「つくるビル」として生まれ変わったのは昨年12月。1部屋を複数でシェアするなど、12室で30人以上のアーティストが創作活動を行っています。

記者が訪れたアトリエは、染色作家・村田ちひろさんと日本画家・寺脇扶美さんが共同で使用。窓際を村田さん、中央を寺脇さん、入り口付近は共有スペースとして利用しているのだとか。

「以前は自宅で描いていましたが、ここに来ると気持ちの切り替えができていいですね。それに同時にたくさんの絵を並べて描けて便利」(寺脇さん)

「このビルにはグラフィックデザイナーやアクセサリー作家など、いろいろなジャンルのアーティストがいて、刺激になります。2階のカフェは情報交換する食堂みたいな感じ(笑)」(村田さん)

村田さん・寺脇さん

村田さん(左)と寺脇さん(右)。2人はこのアトリエで、美術教室やワークショップを開催する予定。「“芸術”とは縁遠い人たちとも交流できるようにしたい」(寺脇さん)

石川さん

「つくるビルマルシェ」といった地域の人が訪れることができるイベントも行っている石川さん。「アーティストの支援だけではなく、建物を地域になじませることも大切です」

テーマを持たせることで再び活気を

老朽化していたこのビルに新たな命を吹き込んだのは、
つくるビルのプロジェクト運営マネジャー・石川秀和さん。

「私の本業は古ビルの再生です。1960~70年代に建てられたタイル張りのレトロな建物も京都の景観の一部。このビルは耐震工事や雨漏りの修理、水道や電気の整備を行い、床のタイルをはがしたり、廊下の壁に絵を描いたり、“ものづくりの場”というテーマで空間をデザインしました」。新しい役目を持たせることで、人が集まり、再び生かすことができると石川さんは考えているのだそう。

シネマカレッジ京都/“映画の街”に新たなエネルギー「見る」「作る」「育てる」を元・立誠小学校で

元・立誠小学校

昭和初期建築の元・立誠小学校。フランスで発明された「シネマトグラフ」が日本に輸入され、初めて投影されたのが小学校建設以前、当時、京都電燈(現・関西電力)があったこの場所なのだとか

「京都は映画の舞台になることも多いですし、映画を作る街でもあります。1950年代には50以上の映画館があった、“映画の街”なんですよ」と話すのは、舞鶴市に本社を置き、映画の配給や制作を行う「シマフィルム」の田中誠一さん。

そんな京都に新たな活力を生み出す取り組みが、元・立誠小学校で行われています。

京都市と「シマフィルム」、そして映画制作・プロデュースのほか、ワークショップ運営を手掛ける「映画24区」(東京都)が主催で、昨年「映画24区KYOTO」、今年「シネマカレッジ京都」と、2年連続で映画人の育成スクールを開講。「映画24区KYOTO」では、ワークショップに参加したメンバーらで、元・立誠小学校や京都各地を舞台にした短編映画「父のこころ(仮題)」を制作。来年公開予定です。

「シネマカレッジ京都」には、「俳優・演技クラス」「企画・脚本クラス」「配給・宣伝クラス」があり、各クラス10~15人が参加しているそう。

教室の特設スクリーンで映画を

さらに今年4月には、元・立誠小学校の教室を利用した映画の特設シアターが誕生。
京都にゆかりのある作品や若い作り手の作品を毎日4、5本上映しています。

このシアターの運営にも携わっている田中さんは、「ただ単にシアターというだけではなく、人が集まり交流する場にできたら。ここを舞台に、見る、学ぶ、作る、そんなサイクルになったらいいと思います」。

特設シアター

教室の窓を黒いカーテンで覆い、椅子を並べた特設シアター。縦1.85m、横3.3mのスクリーンを設置、50人程度を収容できるそう

田中さん

「映画というのは、“体験する”もの。家から出かけて行き、暗闇のなかで光る大きなスクリーンで見ることが、映画を楽しむことだと思います」と田中さん

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