シックな黒の容器に、サルやウサギがお茶を入れている絵が描かれた「マグボトル」を2年ほど前から販売している「一保堂茶舗」。
「どこでもおいしいお茶を楽しんでほしいという思いから生まれた商品で、これは2代目のデザインです。内側に茶渋やにおいがついたり、パッキンが掃除しにくくて黄ばんだり…。そんなお困りごとを解決しようと、内側はフッ素コートで汚れにくく、フタまで細かく分解できるので、お手入れも簡単です」と、同店の中村咲子さん。
マグボトルに入れるお茶の入れ方も提案。
「急須に茶葉約10g、沸きたての熱湯240ccを注ぎ、30秒待ってからボトルへ。香りと渋みが際立った、さっぱりしたお茶が楽しめますよ。2煎目からは味が出やすくなっているので、熱湯を注いだらすぐにボトルへ入れてください。
これからの時期なら冷茶もいいですね。あらかじめボトルに氷をたっぷり入れておいて、急須で入れたお茶を注いで、一気に冷やすとおいしくできます」
そのほか、ティーバッグを入れてマグボトルを急須代わりに使ったり、抹茶と氷水を入れてシェイカーのように振ってアイス抹茶を作るなど、いろいろなお茶の楽しみ方ができます。
私たちが普段お店で購入しているお茶は、茶店が代々受け継いできた感性で茶葉を組み合わせ、独自の味を作り出して、製品にしたもの。「福寿園京都本店」の地下1階にある「京の茶蔵」では、そんなお茶のブレンドを体験することができます。
まずは、用途や好きな風味などを日本茶インストラクターがカウンセリング。玉露、かぶせ茶、煎茶、てん茶の4つのジャンルごとに、京都府下の産地、品種などが記載されたリストを見ながら、茶葉を選んでいきます。約30種のお茶には、「爽やかなうまみ」「優しい香り」「フルーティーな後口」というように、ひとつひとつ特徴が紹介されています。こんなにも風味が違うものだと知って記者はびっくり。
「産地や品種だけでなく、作り手が違えば味が違います。まずは単一品種のお茶で飲んでみて、茶葉が決まったら、ブレンドの比率を変えて試していただきます。お茶を飲む時間帯や季節によっても味の感じ方は変わりますよ。自宅用のほか、贈り物にする人も多いです」と同店のチーフで、日本茶インストラクターの伊藤明子さん。茶葉を選んで、パッケージするまで、所要時間はおおよそ1〜2時間。飲めば飲むほどはまってしまいそうな、奥深いお茶の味わい。自分にぴったりの味を探してみて。
宇治抹茶・茶葉を使用している「ネスレ キットカット オトナの甘さ 抹茶」が、お菓子としては初めて京都府のPRパートナーに任命されました。この商品の販売やキャンペーンを通じて、京都文化や抹茶の魅力の普及に努めていくというもので、京都府が「日本茶・宇治茶のユネスコ世界文化遺産登録」に向けて挑戦していることをPRします。製品パッケージの裏面には、まゆまろと茶畑の写真が入っています。
頭に茶筅(ちゃせん)をイメージした冠を乗せ、マントには大きく“茶”の文字が。さらに、抹茶味のおしゃぶりをくわえて…と、このお茶ずくしのかわいいキャラクターは、この春、宇治商工会議所公認で誕生した「チャチャ王国のおうじちゃま」。
“チャチャ王国”(つまり宇治市)の88代目王子として、各地のイベントで宇治茶をPRするほか、お茶のパッケージや宇治の観光マップに登場します。特技は「お茶きき」という、お茶一筋のツワモノ。
今後は、5月26日(日)「大久保駐屯地創立56周年及び第4施設団創隊52周年記念行事」、6月15日(土)「宇治川の鵜飼 川開き」などで、来場者に宇治茶をアピールする予定です。問い合わせは、TEL:0774(23)3101=宇治商工会議所へ
毎月、第4土曜日に、寺院関係者や大学教授、経済人といった京都ゆかりの著名人を招いた講義と、日本茶の入れ方を実践するイベント「茶爐夢(さろむ)・いちごいちえの会」を開催している「茶匠 井六園」。この取り組みを始めたのは2年前。「ペットボトルでなく、茶葉を楽しむ日本茶のよさを、もっと知ってほしいと始めました。さまざまな日本文化についても親しんでもらおうと、著名人の先生の講演とセットにしたのです」と同社社長の井上祐さん。毎回、50人の定員が満員になるほどの人気ぶり。「畳にテーブルを置いて、約1時間半の講演を聞いてもらい、あと30分くらいお茶のおいしい入れ方を実践してもらっています。入れたお茶は、おいしいお菓子と一緒に召し上がっていただいています」
次回の開催は、5月25日(土)。6月29日(土)には、料亭菊乃井主人の村田吉弘さんの講演予定。いずれも午後2時~(受付1時30分)。1人1500円(お土産付き)。定員50人。会場「ちおん舎」中京区三条通衣棚上ル。申し込みは、茶匠 井六園(一期一会推進本部)TEL:075(661)1691(代)
茶葉の産地でもあり、同時に各地から茶葉が集まる集散地でもあった木津川市山城町上狛(かみこま)。かつては多くの茶問屋が軒を連ね、現在も30軒ほどが残っています。このかいわいを、木津川市では地域の活性化に役立てようと、拠点施設の整備を計画中です。「茶問屋街の風情を楽しみながら散策できるようにできたら」と、同市役所学研企画課の茅早(ちはや)祥一さん。
嵐山を起点としたサイクリングロード「京都八幡木津自転車道線」の終点にあたり、自転車で訪れる人も多いとか。多くの人に“お茶のまち”に触れてほしいですね。