撮影会に参加したり、カメラ片手に街に出かけたり。趣味で写真を楽しむ写真サークルの2人に、おすすめ写真を見せてもらいました。いずれも、実は定番スポットなんですよ。
「蹴上インクライン」
ぼんやり青い朝日を受けて輝く、インクラインの線路と桜がきれいですね。「空気が澄んでいる4月の早朝に撮りました」とか。時間帯を変えてみるといろんな表情を見ることができますね・・・
写真提供/京都大学デジタル写真サークル 「Digi*Photo」藤澤英輝さん
「出町柳付近の鴨川西岸」
鴨川沿いの桜。鴨川に背を向けてみてもいい写真が撮れるそう。「鴨川沿いを歩いていたら、若者たちが降り注ぐ桜の下で、座ってたそがれていました。その姿に青春時代を思い出して撮った1枚です」
写真提供/写真サークル「Plug」
azzzzさん
ちょっと足を延ばして出かけてみれば、京都市内とは一味違った桜の風景に出合えるかもしれません。読者おすすめのスポットをご紹介!
「観音寺(普賢寺大御堂)」
「お寺へ続く参道の桜と、その向こうに広がる一面の菜の花畑。山の緑、ピンクと黄色のコントラストが見事で、お気に入りのスポットです。毎年花見ウオークイベントも開催されています」・・・伏見区Tさん(京田辺市普賢寺下大門13 )
写真提供:京田辺市観光協会
「地蔵禅院」
「小高い丘の上に立つ地蔵禅院。石段を上がりたどり着く境内には、井手町の景色をバックにしたしだれ桜が。この桜は、有名な円山公園のしだれ桜と親木が同じなんですよ。2本を見比べてみるとおもしろいかも!?」…山科区Uさん(綴喜郡井手町大字井手小字東垣内16)
写真提供:京都府観光連盟
「七谷川さくら公園」
「亀岡市出身の友だちが、“七谷川の桜よりすごい桜はない”と教えてくれました。川沿いの遊歩道は覆いかぶさるように枝が伸びていて、桜のアーケードのよう。どこまでも連なる桜の花はとっても見ごたえがあります」・・・南区Kさん(亀岡市千歳町国分)
写真提供:京都府観光連盟
四季折々の京都の美しい景色を撮影している写真家・水野秀比古さん。
数ある名所のなかから、おすすめの撮影スポットや撮影のコツを聞いてみました。
「ソメイヨシノだけでなく、山桜や紅しだれなどいろいろな桜に目を向けてみるといいと思います」と水野さん。
石畳の遊歩道が続く哲学の道(5)は、そんな桜の共演が楽しめる撮影スポット。「銀閣寺のあたりから法然院方面へ行くと、オオシマ桜や紅しだれも交ざった幻想的な景色に出合えます。紅しだれの枝が水面に向かって下がる様は風情がありますし、淡い色のソメイヨシノにしだれ桜の紅色が映えて豪華な雰囲気になります」(水野さん)
また、街中で見る桜も観光スポットとは違う京都を感じられる場所。
ソメイヨシノと遊歩道の奥に、アーチ形の古い橋、そして街並みが見える堀川遊歩道の写真(6)は、歴史ある京都の趣と今の京都の姿を見て取れる一枚。
「風景を写真におさめるときには、その場所であることが伝わって、周囲の雰囲気をちゃんと見せることができるといいですね。写真には主役と背景があります。今回の主役はあくまで桜ですが、柳や竹、水辺、和建築を背景としてうまく入れると京都らしく、情緒のある桜写真になりますよ」
とはいっても、広く風景を切り取った写真というのはなんだか難しそう…コツは?
「いわゆる桜の名所といわれ、写真でもよく見かけるスポットでも見る角度を変えたりして、自分なりのアングルを見つけてみてください。一度撮影した場所でも、天候が違う日や、時間帯を変えていくとまた違った風景に出合えますよ」