購入金額全国第3位の実績が物語るものは? ギョーザと京都

購入金額全国第3位の実績が物語るものは? ギョーザと京都

リビング読者にアンケートを実地!

パリッパリの“焼きギョーザ”が一番人気です

多めの油で片面をこんがりと焼き上げたギョーザに、優妃ちゃん(写真左手前)、楓果ちゃん(同左奥)の箸がとまりません!

総務省「家計調査」で対象となっているギョーザとは、スーパーマーケットや総菜店などで購入できるチルド食品と総菜のこと。1面で紹介した飲食店での持ち帰りのほか、冷凍食品、家庭で手作りするギョーザは含まれていません。

とすると、ギョーザ購入金額第3位とは、市販品のギョーザをよく購入しているということ…?

そこで、編集部ではリビング読者にアンケートを実施。それによると、「家でギョーザを食べる頻度は、月2、3回」という回答が多く寄せられ、「ギョーザは食卓の定番メニュー」という構図がうかがえました。市販品の購入先や外食する店舗も、好みが決まっているようです。

そもそも、9割以上の読者は、ギョーザが「大好き」もしくは「好き」。その理由は、「おいしい」が1位。続いて、「野菜がたくさん摂れる」「手早くできて、安上がり」といった声が挙がっています。ギョーザは、「味」「栄養」「手軽さ」の3拍子そろっているということですね。

少数派ながら苦手な理由に挙げられているのが「臭い」。ギョーザ好きでも、「週末など、翌日に臭いを気にしなくてよい日に食べるようにしています」といった意見もありました。

好きな調理方法は、ダントツで“焼きギョーザ”に票が集中。「皮がパリパリしていて、中の具がジューシーなのがたまらない」と、熱いコメントがたくさん書き込まれていましたよ。「一番なじみがある食べ方」という声も挙がりました。

そのほか、「子どもと一緒に手作りを楽しんでいます」「月に1回は、ホットプレートを使ってギョーザパーティーを開いています」など、ギョーザを通して楽しい時間を過ごしている様子が垣間見える回答も。そんな“ギョーザLOVE”な読者の一人、前川安澄さんファミリーに会ってきました!

ギョーザは家族愛!?

ママの料理で好きなのは…、「ギョーザ!」。

うれしそうに答えてくれたのは長女の優妃ちゃん(5歳)。前川さん宅では、週に1回程度、料理の副菜として焼きギョーザが登場します。

母親の安澄さんいわく「結婚当初、夫はギョーザがあまり好きではなく、ギョーザが大好きな私としてはショックでした。そのころは、月1回ぐらい食卓に出していたんですが、優妃が2歳ぐらいのとき、食卓に並べていたギョーザをたまたま食べたんですよ。『あ、この子はギョーザ食べるんや』って思ったのを、今でも覚えています。それ以来、いろいろなメーカーの商品を試し、焼き方も研究しました。今は、お気に入りの商品は常に冷蔵庫に常備。焼き方も極めましたよ(笑)」

妹の楓果ちゃん(2歳)も、すでにギョーザデビュー済み。食卓に頻繁に登場するようになるうち、苦手だった父親の寛さんも「ギョーザ、おいしいやん」ですって。

読者発 タレに工夫あり

  • 酢じょうゆに、一味とゴマとネギを入れています(みんみんママ・40歳)
  • 酢としょうゆを1:1の割合で合わせるのが定番(kk・43歳)
  • 基本はポン酢。ラー油をドボドボと入れるのが好きです(はんこさん・35歳)
  • ポン酢に七味(ちょこっとママサン・50歳)
  • ゆずこしょう、塩、しょうゆ+レモン汁+ラー油など、いろんな味付けを楽しんでます(ほたるいか・31歳)
  • しょうゆを多めで、みりんと酢を少々いれるのがわが家流(マスクさん・41歳)

京都で生まれ育った
「ミンミンのせみ餃子」

アンケートでリビング読者が「よく購入するギョーザ」のひとつに挙がっていた「ミンミンのせみ餃子」。  実はこれ、京都生まれ、京都育ちのギョーザなのです。京都市山科区にある中華の加工食品メーカー「珉珉食品」が手がけるこの商品は、昭和47年に発売され、40年以上もの歴史を持っています。近畿圏での卸売り実績は、地元の京都が1番なんですよ。

ブランドギョーザが人気上昇中

市販品を購入する身近な場所といえば、スーパーマーケット。イオン洛南店では、常時、15種類近いチルド食品のギョーザを販売しています。  「近ごろは、著名な料理人が監修したもの、有名店やご当地グルメを冠したものなど、ブランドギョーザが増えてきています。安さで売れる商品がある一方、少々高くてもブランドで売れる商品もありますね」(同店デイリー担当者)

“京都のおかん”に支持され、定番に!?

昨年発刊された「京都の中華」(京阪神エルマガジン社、写真左)では、京都という街と中華料理の関係が紹介されています。もちろん、ギョーザについて述べられた項目も。

そこで、著者の姜尚美(かんさんみ)さんに、「京都とギョーザ」について尋ねてみました。

京都に生まれ育った姜さんいわく、「京都のおかん(母親)は、“おまわり”にとても厳しいんです」。

“おまわり”とは、公家由来の京ことばで主食のごはんの周り、副菜(おばんざい)を指すのだとか。

「普段はすごく倹約していて、店で買った方が得か、自分で作った方が得か、しっかりとそろばんをはじいています。納得すれば、手作りにこだわらず、お店で買うのが京都のおかんです」

ギョーザは、台所を預かるおかんのお眼鏡にかなったおまわりだからこそ、京都で愛されているのではないでしょうか。姜さんが子どものころは、「『ミンミンのせみ餃子』や王将のギョーザを食べていました(笑)」。

ちなみに、姜さんによるとギョーザの皮と京都には少なからぬ縁があるようです。茶筒専門店「開化堂」の5代目・八木聖二さんに詳しく聞いてみると、「戦後間もないころ、ギョーザの皮をうちの茶筒のふたで抜いていたらしいですよ」。

同店がイギリスから輸入したブリキを使い、日本ではじめて茶筒を製作したのは明治8年のこと。ここの茶筒が日本の茶筒の基本となったといわれているので、京都発祥の茶筒が、今のギョーザの皮の規格を決めたことになるのかも!? これを知ると、ギョーザへの愛着がますます深まりそうですね。

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