光媒の花
道尾秀介 集英社文庫・567円
どこかで、何かでつながり合う━
全6編からなる連作群像劇
さまざまな感情が入り交じるストーリーで構成された、全6編からなる連作群像劇です。
認知症の母親とひっそりと暮らす男性、小学校で教員をする若い女性…。それぞれの物語に登場する人物や背景が、少しずつつながっていることが読み進むうちに伝わってくるのもおもしろい点です。
光と影の象徴のように登場する白いチョウは、どんな逆境におかれても必死に生きようとする少女、小さな罪を犯した幼い兄弟を見守っているのか、忠告をしているのか、どんな存在にも感じ取れます。
作者がこれまでに手がけてきたミステリー作品とはまた一味違う面白さです。
【紹介者】
大垣書店四条店 小林素紀さん
大垣書店四条店 小林素紀さん
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