スーパーなどで一年中手に入る酒かすですが、フレッシュなものが出回るのは、新酒が搾られるこの時季から。かす汁や甘酒といったあったか定番メニューのほかにも、実はいろいろな利用法があるんです。特徴や料理法を知って、この冬もっと酒かすを活用してみませんか?
チーズのようにトロッ
酒かすフライ
【作り方】
- ①酒かすを1cmくらいの厚さの四角に成形する。粒かすを使う場合は、手のひらで押して空気を抜きながら形を整えます ※ラップで包むと扱いやすくなります
- ②①を冷蔵庫に入れて、約30分冷やし、固める
- ③②を3cm角にカットして、フライを作る要領で、小麦粉、溶き卵、パン粉をつける
- ④180℃の油できつね色になるまで、4〜5分、カラッと揚げる
材料 2人分(4個)
酒かす…60g(板かすを使う場合は、作り方①②は省略)
小麦粉、卵、パン粉…適量
豆乳と合わせて、和風ベシャメルソース
和風酒かすグラタン
【作り方】
- ①ベシャメルソースを作る。鍋に豆乳と酒かすを入れ、弱〜中火で温めながら酒かすのダマをつぶすように混ぜる
- ②別の鍋を中火にかけバターを溶かし、こした小麦粉を2、3回に分けて加え混ぜる
- ③②に①を少しずつ入れて、とろみがつくまで中火で10〜15分混ぜ、塩・コショウで味を調える。出来上がったら裏ごしをしておく
- ④食べやすい大きさに切ったホタテ、エビと、小房に分けたブロッコリー、シメジを下ゆでする
- ⑤④をグラタン皿に入れて、③を流し込む
- ⑥200℃のオーブンで約8分加熱する
- ⑦⑥を一度取り出し、パン粉とパルメザンチーズを振りかけ、さらに200℃のオーブンで5分加熱する
材料 2人分
ベシャメルソース
【酒かす…20g
豆乳…500cc
バター…40g
小麦粉…40g
塩・コショウ…少々】
ホタテ…4個
エビ…4匹
ブロッコリー…6分の1房
シメジ…50g
パン粉、パルメザンチーズ…適量
教えてくれたのは
「祗園 一道」店主・関孝明さん
「フライは酒かすの風味に加えてチーズのような食感も楽しめます。ソースや塩をつけて食べるとおいしいですよ。グラタンで作ったベシャメルソースに使う酒かすの量は、お好みで調節してください。温かいポテトサラダに混ぜたり、魚料理にかけたりと、いろいろな食材に合います」
香りとうま味をプラス
西京みそと酒かすに漬けた豚肩ロースのピッカータ
トローリモッツァレラチーズをのせて
【作り方】
- ①酒かす、酒、ブランデーをフードプロセッサーにかけ、ピューレ状にする
- ②①と西京みそを混ぜ合わせる
- ③豚肩ロース肉に塩・コショウをして、②に漬け込み、4時間から半日、冷蔵庫に入れておく
- ④豚肩ロース肉を取り出して水で洗い、水気を取っておく
- ⑤④に小麦粉をつけ、溶き卵をくぐらせ、弱火で3〜5分、焼き色がつくまで焼く
- ⑥片面が焼けたら裏返してモッツァレラチーズを乗せ、さらに弱火で3〜5分焼く ※肉が厚さ1cm程度の場合は、早めに火を止め、余熱でチーズを溶かしてもOK
- ⑦食べやすい大きさにカットして盛り付ける
材料 2人分
酒かす…100g 豚肩ロース肉…4枚(写真は1.5〜2cmですが、1cmくらいの厚さのものでOK)
西京みそ(合わせみそでも可)…300g 酒…50cc ブランデー…50cc ※ブランデーがない場合は上記の酒を100ccに
塩・コショウ…少々 小麦粉…適量 卵…1個 モッツァレラチーズ(スライスチーズでも可)…適量
ピューレ状にして、野菜ディップに
いろいろ野菜のバーニャカウダ 酒かす風味
【作り方】
- ①皮をむいたニンニクと牛乳400ccを鍋に入れ、強火にかける。沸騰直前に弱火にして、ニンニクがやわらかくなるまで20分ほど煮る
- ②食べやすい大きさに切ったズッキーニとニンジン、オクラ、小房に分けたブロッコリーとカリフラワーをさっとゆでておく。そのほかの野菜も食べやすい大きさに切る
- ③①とは別の鍋に適当な大きさにちぎった酒かすと牛乳100ccを入れて弱火にかけ、酒かすがやわらかくなるまで練り混ぜる
- ④①の鍋からニンニクを取り出しザルにあげておく
- ⑤③、④のニンニクとアンチョビフィレ、エキストラバージンオリーブオイル200ccをフードプロセッサーにかけて、ピューレ状にする
- ⑥別の鍋にエキストラバージンオリーブオイル50ccと⑤を入れ、焦げないように注意しながら温める
- ⑦②と⑥を別々の器に盛り付ける
材料 2人分
酒かす…50〜80g(好みで調節) ニンニク…150g大粒なら10片ほど)
牛乳…400cc・100cc
アンチョビフィレ(缶詰)…40g ※チューブタイプは不可
エキストラバージンオリーブオイル…200cc・50cc
ズッキーニ…1/2本
ニンジン…1/2本
オクラ…3〜4本
ブロッコリー…1/4房
カリフラワー…1/4房
セロリ…1/3本
カブ…1個
日野大根…3〜4本
キュウリ…1/2本
※野菜は何でもOK。生食できないものは下ゆでを
教えてくれたのは
「Vineria(ヴィネリア)-t.v.b」シェフ・根本義彦さん
「酒かすはさまざまなソースに使えます。バーニャカウダのソースはサケに塗って焼いたり、生クリームを加えてのばせばパスタソースにもなります。冷蔵庫に入れておけば10日くらいは持つので、試してみてください。お肉を酒かすで漬け込むと、やわらかくなり、うま味もアップするのでオススメ」