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コレ読んで!

ラヴェル

内田百閒 岩波文庫・630円

「ボレロ」の作曲家、最後の10年を奏でる物語

「水の戯れ」「亡き王女のためのパヴァーヌ」など、美しい旋律を持つ名曲の数々を残した作曲家モーリス・ラヴェル。ジャン・エシュノーズが描いたのは、誰もが知る「ボレロ」が生み出された、彼の晩年の10年間です。

ラヴェルを熱狂的に迎えたアメリカ演奏旅行、フランスに戻って作られた「ボレロ」「左手のためのピアノ協奏曲」をめぐる話、不幸な病を得て閉じる生涯までが、リズム感のある独特な文章でつづられています。

死に向かって進む物語。だんだんと音を増し、荘重になってゆく「ボレロ」のイメージと相反しながらも、静かに通底するものが感じられます。あなたの読後に彼の曲がどう響くでしょうか。

【紹介者】
古書ダンデライオン 中村明裕さん

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