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コレ読んで!

晴天の迷いクジラ

窪美澄 新潮社・1575円

死を意識すること それは、生きる喜びを感じること

今にもつぶれそうなデザイン会社の女社長、そこで働く若手デザイナー、そして、母親の偏愛に苦しむ少女。本書は人生に絶望し、自ら死のうと覚悟した境遇の異なる3人の物語。ふとしたことから、湾に迷いこんだクジラをともに見に行き、そこで家族のように過ごすうちに、生きることの大切さを見いだしていく。

本書の大きなテーマは「死」だ。登場人物はさまざまな死と向き合うことになる。人は必ずいつか死ぬ。そのことを受け入れることは容易ではないけれど、死を意識するということは生きる喜びを再認識すること。限り有る時間を充実したものにしなければと心に誓うのだ。

【紹介者】
ことばのはおと 中村仁さん

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