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“おいしい”の立役者 おだしは、深い!

“おいしい”の立役者 おだしは、深い!

うどん店や和食店の前を通ったとき、ふんわり漂ってくるだしの香り。「あぁ、いい香り」と感じますね。だしと一言でいっても、昆布、かつお節、干ししいたけ、煮干しなど、種類はさまざま。それぞれの特徴を知ることで、家庭でももっと使いこなせるようになりますよ。



昆布とかつお節は“時間”が重要

昆布といえば北海道産が有名ですが、利尻や羅臼といった産地によって特徴は異なるのだそう。

「料亭では澄んだだしが取れる利尻産が好まれます。昆布は時間がたつほど渋みがとれてまろやかになるので、数年寝かしてから使うお店もあるほどです」と教えてくれたのは、京都市中央卸売市場で乾物などの販売を手がける「京都中央物産」営業部部長の岡本健一さん。

「良い昆布を見分けるポイントは表面の白い粉」とは、同市場で同じく乾物を扱う「大和屋」の代表取締役・髙橋弘一さん。その粉の正体は“マンニット”という炭水化物。乾燥して1、2年がたち、表面にこのマンニットが浮き出たほうが風味が増すといいます。

「これはうま味成分なので洗い流さないで。昆布の味を生かすなら、大根など淡白な素材に魚介類や肉を合わせるのがおすすめです」(髙橋さん)

昆布とは反対に、鮮度が大切なのがかつお節。「時間がたつと酸化するので、削りたてのピンク色のものを選びましょう。野菜を炊くときに使うと、うま味が増します」と髙橋さん。

岡本さんのおすすめは、かつおだしのきれいな色を生かしたすまし汁なのだとか。さらに岡本さんからは、「うどんのだしにはコクのある濃い味がでるサバ、イワシ、ウルメ、アジなどで作った削り節の混合だしがよく使われます」と、おまけ情報ももらいましたよ。

かつお節は、開封後、冷凍庫で保存可能。「ちょっと粉っぽくはなりますが、冷凍庫に入れておいても凍りません」(髙橋さん)

強い個性を発揮する干ししいたけと煮干し

干ししいたけは、だしを取るだけではなく、料理の具としても活躍。口に含むと濃いうま味がしみ出てきて、おいしいですよね。

「カサが開いている“大葉”や“荒葉(あらば)”と呼ばれる干ししいたけは、刻んでちらし寿司の具にもしますね。カサが肉厚で小ぶりの“冬菇(どんこ)”は、含ませ煮で味わうといいですよ」(岡本さん) 髙橋さんからは、干ししいたけをおいしく味わうためのポイントを教わりました。それは、“低温の水でゆっくり”ということ。「水につけて一晩冷蔵庫に入れておいてください。硬いところやぱさついたところができにくく、全体がやわらかくなります」

次は、イワシなどの小魚を材料とした煮干しについて。

「“魚まるごと”のうま味を味わえるのが煮干しの特徴です」とは同市場で塩干食品を扱う「久泉商店」の久泉安弘さん。

「頭から尻尾まで、内臓も含んで全部のうま味が出て、コクの強い、深みのあるだしになります。おみそ汁や煮炊きものがぴったりです」。頭やワタを取り除いて使う人も多いかもしれませんが、このやり方も試してみては。

時間が経過すると煮干しにやや油分が出てきますが、これを好む中華料理の料理人もいるそうです。

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