1ページ目で紹介したように、以前に比べると運動する時間が少なく、体力や運動能力が低下している今どきの子どもたち。そこで、ちょっぴり運動に苦手イメージを持っているという濱井拓斗くんと濱井健斗くんが、「かけっこ」「逆上がり」「ボール投げ」の3つの種目に挑戦! 上手にできるコツを佛教大学の学生サークル「クローバースポーツクラブ」のみなさんに教えてもらいました。この夏休み、親子で練習してみませんか? *運動のコツは年齢によって異なります。今回は小学5年生を対象に行いました
棒の高さや回転することに対する恐怖心があって、なかなかグルンと回るのが難しい鉄棒。特に「いきなり頭が下になって、足から回る逆上がりは苦手」という声もよく聞きます。まずは、手が滑らないように、正しい鉄棒の持ち方(親指を鉄棒の手前に、残り4本の指を鉄棒の向こう側にかける)を覚えることから始めましょう。
正しい鉄棒の持ち方がわかれば、足を高く上げる練習からスタート。大人がいれば「このくらいまで上げて」と高さを手で示して、子どもにキックさせてみて。徐々に手の位置を上げていくと、だんだんと足が高く上がるように。
キックの練習をしたら、今度は踏み切る足の位置に注意。鉄棒の真下ではなく、足一歩分くらい前で踏み切ります。地面に線を引いて、その線を踏むようなイメージでトライしてみて。足を上げたときに、反対の足が滑ってバランスを崩すくらい思いっきりできれば、回転はもうすぐ!
足を上げて踏み切ったら、あとは勢いよく回ります。ももの付け根あたりが最初につくように鉄棒をひきつけ、あごを引いてつま先を見るようにすると、自然と体が回るそう。
かけっこやリレーといった競技や「おにごっこ」など遊びのなかでも、走る機会は多いですね。「走るのが遅い」と感じている子も、きちんとした走り方を知らないだけかもしれません。基本をマスターするとすぐに上達するそうですよ。ぜひタイムを計りながら、練習してみて。
手を軽くグーに握り、ひじは伸ばさないで90度くらいに曲げた状態で前後に腕を振ります。走るのが遅い人は、後方に振ってしまっていることが多いとか。前に振ることを意識すると、自然と足も出てくるそう。
最初は走らずに、その場で腕を振る練習をしてみて。手のグーが自分の目線くらいの高さになるまで腕を振れたら、だんだんとスピードを上げて振る練習を。
走るとき、最初に地面につくのは足の裏の親指の付け根の部分だとか。そこで、かかとを浮かしたまま立って、スクワットをしてみましょう。屈伸で伸びるときに、つま先で踏ん張ることが地面を蹴る動作の練習になります。また、走るにはバランスの取れた姿勢も大切。背中と腰を伸ばして、バランス感覚を養いましょう。
ゴールを目指して走るのではなくて、目標とするのは、ゴールテープの先。本番ではゴールを前にスピードを落とさずに、大またで思い切り走り抜けて。
ドッジボールやキャッチボールなど、ボールを使った遊びもよくしますよね。でも思い通りにコントロールするのは、なかなか難しいもの。遠くに投げたり、狙ったところに投げたり。ポイントを押さえれば、いろいろな遊びや競技で役に立ちますよ!
ボールを遠くに投げるときは、体全体を使うことが大切。ボールをしっかりと持って、ひじを曲げずに伸ばしたまま、できるだけ上から投げます。腕を振り下ろしながら腰をまわすようなイメージで投げると全身を使って投げることができます。
投げる瞬間に、ボールを投げる手と反対側の足に体重をかけながら、一歩前へ踏み出します(右手で投げるなら左足)。そのとき、つま先が向いている方向へボールが飛んでいってしまうので、投げたい方向に向かって、まっすぐに足を出すのがポイント。
*公園で練習する際は、周囲の状況に注意し、ルールを守って行いましょう
子どもに教えるとき、ついついスパルタになってしまうことも…。でもそれでは、ますます運動を嫌いになってしまうかもしれません。
「子どものときの運動は“できることを楽しむ”ことが大事。その時点でできていないのに、いきなり“できるようになろう”と大きな目標をたてるのは、運動嫌いをつくる原因に。小さなステップで目標設定をして、“これができた”とやりがいを感じさせて、自信をつけさせてください」(京都市教育委員会体育健康教育室の山口さん)
まずはうまくできるコツを教えて、一つ一つ楽しみながら練習することが大切ですね。
「とにかくほめます」というのは佛教大学クローバースポーツクラブの村田大暉さん。「何か一つできたら、“よくがんばった!”とほめてあげて、“よし、次はここまで行こう”といった具合に進めています。もしできないことがあったときには、ちょっと休憩を入れて、気分転換。気持ちの切り替えをしてから再チャレンジするようにしています」