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独特の味わいを、今の暮らしに取り入れて 古いものの良さ

独特の味わいを、今の暮らしに取り入れて
古いものの良さ

最近、古いものを扱う新しいお店が増えていますね。年を経たものだけが持つ独特の趣深さに憧れる人も多いのでは。そんな古いものの魅力を、現代の暮らしにも活用する方法を紹介します。「敷居が高そう」「使いこなせるかな」という人も、注目を。


骨董市に行こう

京都のさまざまな場所で開かれている骨董(こっとう)市。誰でも気軽に訪れることができるので、古いものの世界への入門にはぴったりです。
その代表的なものである東寺の「弘法市」で、骨董店の店主に古いものの選び方を教わりました。

杉本理さん
寺町二条にある骨董店「大吉」の二代目店主。東京で個展や講義を行うなど、骨董の魅力を伝える活動も行ってます。

コツは「今日はこれを買う」と決めておくこと

左が杉本さんが購入したもの。江戸後期の瀬戸焼だそう。同じ柄ですが、大きさがずいぶん違いますね。「昔の人はそんなに気にしなかったんでしょうね」

Tシャツに斜めがけバッグという軽装で登場した杉本さん。「商品を傷つける恐れがあるので、アクセサリーは、ないにこしたことはないですね。リュックを使う人も多いですが、背後が不注意になるので、斜めがけがおすすめです。日傘も邪魔になるので、帽子の方がいいでしょう」

この日の集合時間は朝8時30分。「やはり早朝のほうが人も少なく商品も豊富です。市は明け方からやっていますよ」

ずらりと露店が並ぶ境内には、食べ物や手作り商品のお店もいっぱい。「骨董店が集まっているのは、南大門を入ったあたりと、洛南高校や観智院の南の通り周辺です」。1200以上もある出店のうち、骨董店は100~200店に上るそう。

杉本さんを見ていると、ぐい飲みやそばちょこを中心に手を伸ばしています。「市には膨大な種類が並ぶので、今日はこれを買おう、と決めてから来るのがコツ。僕は今日は酒器を見ようと思っているので、それらに目がいくんです」

初心者には、そばちょこや豆皿、ガラス器、スプーンなどが使いやすくおすすめとのこと。

器を手に取り、ひっくり返したり、匂いをかいだりする杉本さん。ただ眺めるだけではなくて、さわっても良いのですね。「高台(底の部分)を見るといろいろわかるんですよ。新品をわざと骨董風にしてあるようなものは、ここが不自然だったりします。匂いをかぐのは、発掘品は土の匂いがするので」



価格交渉も楽しさのひとつ

そうしているうちに、小さなぐい飲みを手にした杉本さん。いくつか似たようなものがあるうち、欠けや傷が少ないものを選択し、お店の人と値段の話に。そしてお買い上げとなりました。

「これは妥当な値段だと思ったので値切りませんでしたが、価格交渉ができるのは骨董市ならでは。ただし、やたらとまけてまけてと言ってはお店の人も気分を害する。『これ好きなんやけど、もう少し値段何とかなりませんか』というふうに、“それが好き”ということを伝えるのも大事です。お互いマナーのある交渉の範囲内で楽しんでください」

李朝の白磁や青磁を売る韓国からのお店もいくつかありました。杉本さんが「口当たりが良く使いやすいです」と教えてくれたのは、真ちゅうの匙(さじ)。1本1000円とお手ごろです。記者も購入することに。

見た目のほか持った具合も確かめて、好みの2本を選択。するとお店の人が「これは1000円。こっちはサービスね」と何と1本オマケに!

取材中、あるお店の人からの「買うことが勉強やで」という声に、「ほんまにね」とうなずいていた杉本さん。「自分のものにして初めてわかることも多いし、良いものを理解していく途中でダメなものをつかむのも勉強です」



1つ1つ金属を打ち出して作られたものなので、形が微妙に異なります。柄の部分に模様が入っているものも

手入れをしながら気持ちよく使って

でもこの匙、買ったは良いけれど、さびが気になります…。すると杉本さん、「口に入るものなので、歯磨き粉などで磨いてみて」。ほかに、磁器やガラスの器などなら、全体的な色のくすみや汚れは食器用漂白剤できれいになるそう。

持ち帰り、教えてもらったとおり磨くと大きな汚れはすっきり。より愛着がわいてきました。

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