KTC
中央高等学院
京都キャンパス長
西川潤さん
「もし子どもが不登校になったら、不安でいっぱいになりそう…」と思う人は多いのでは?
「もちろんそうだと思います。でも、その子ができないことよりも、どんな小さなことでもいいので、その子が過去に頑張ったことや今できていることに目を向けてください」とKTC中央高等学院の京都キャンパス長・西川潤さん。
それまでの学校生活に苦戦してきた生徒が多く通う同校は、通信制の「屋久島おおぞら高等学校」のサポート校。生徒一人一人のペースに合わせたレポート学習や屋久島でのスクーリングを通して、高卒資格の取得ができます。
「最終目標は、生徒が社会に出て自立した大人になること。そのために大切なのは、小さな成功体験を積み重ね、達成感を持つことだと思います」と西川さん。
同校ではそのための多彩なプログラムが用意されていますが、子どもが学校に行けず自宅で過ごす場合は、親がわが子の「今できること」を探す目線が大切と言えそう。
「それからもう一つ、うちの生徒たちの例なんですが、多くの子は入学してきた最初の1カ月、不登校を乗り越えようと、かなり無理をして毎日通学してくることが多いです。すると親御さんは、つい『よく頑張ったね。次は何を頑張ろうか?』とハードルを上げがち。その結果、子どもが息切れし、入学2カ月目からは休んでしまうということも。『早く乗り越えよう』という焦りが、かえってできることを減らしてしまう可能性もあります」。長い目で見る事も大切ですね。
京都ノートルダム女子大学
生活福祉文化学部教授
山本智也さん
臨床教育学や家庭教育学を専門とする山本智也さんは、不登校の子の家庭教育を行う団体のアドバイザーや「子どもとのコミュニケーション」といったテーマでの講演活動なども行っています。
山本さんには、「学校に行きたくない」という子どもと話す際のアドバイスをもらいました。
「『なぜ学校に行きたくないの?』と問われると、言われた側は責められているように感じます。ポイントは尋ね方。たとえば『学校に行きたくないって思うまでにいろんなことがあったんだろうね。どんなことが学校に行きたくないって思わせているのか教えて』と言われれば、受け止め方も違います。小さなことですが、こうした言葉一つで親子の関係は変わってくると思いますよ」と山本さん。
「不登校の子を気遣って、本音を押し殺す必要はありません。それでは親御さんがしんどいですよね。子どもに学校に行ってほしいと思っているなら、『お母さんは学校に行ってほしいと思ってる』と、自分の意見として伝えてもいいと思います。『学校に行きなさい』ではなくてね」
イジメに加わるような子どもには絶対なってほしくない (ちくわちゃん)
学校だけがすべてじゃない。自分がやりたいことでも続けることは大変なことなので、何か好きなことに熱中できれば十分 (MT)
苦しみを乗り越えられる子。一人でではなく、それを誰かにきちんと話せる子になってほしい (T)
親子で問題を抱え込まないように、参考にしてくださいね。
※1 いずれも各自治体在住の人を対象としています
※2 スクールカウンセラーについては、すべての学校に配置されているわけではありませんが、派遣も行われています。
なお、京都市以外の高校については、配置・派遣とも京都府教育委員会の管轄となります。問い合わせは、まず学校へ
●こどもパトナ カウンセリングセンター…子どもの不登校やいじめ、その他心のケアを要すると思われることなど、子どもの教育上の様々な課題や子育ての不安について来所相談(無料)を実施。1回45分。要電話予約。TEL:075(254)1108
●日曜不登校相談…子ども(小学生~高校生)の不登校に関する無料相談を毎週日曜日に実施。1回45分。希望日の前日までに要電話予約。TEL:075(254)8107
●スクールカウンセラーの派遣
●洛風中学校(※1)・洛友中学校(※2)・「ふれあいの杜」(※3)の運営
※1 不登校の生徒を対象とした中学校
※2 不登校を経験した昼間部の生徒と、さまざまな事情から義務教育を修了できなかった生徒が通う夜間部の生徒がふれあい、学び合う中学校
※3 不登校の児童・生徒を対象とした、小集団での学習の場。京都市内に5カ所設置。小学4年生~中学3年生対象(一部学習室は中学生のみ)
●スクールカウンセラーの派遣 ●心の居場所サポーターの派遣
●教育相談…①来所相談(教育委員会に臨床心理士の教育相談員を配置し、火・金午前10時~正午、午後1時~3時を相談日とする。要予約)。TEL:075(931)1111(内線803)
②電話相談(月~金午前9時~午後5時)。TEL:075(931)6060(直通)
●適応指導教室「ひまわり広場」…不登校の児童・生徒に対し、個々の実態に応じた相談活動や体験学習を通して主体性・自発性を育成し、学校へ復帰できるよう支援。向日市天文館内に設置。火・木・金午前9時30分~正午
●スクールカウンセラーの配置
●別室登校サポーターの配置
●教育相談…子ども(小・中学生)に関する教育相談。月~土(祝祭日を除く)午前9時~午後5時。要予約。TEL:050(7105)8516(市教育支援センター)
●適応指導教室「アゼリアひろば」…不登校の小・中学生の学校復帰を目指す通級指導教室(個別指導、小集団体験活動、学習活動)。TEL:050(7105)8516(市教育支援センター)
●スクールカウンセラーの配置
●適応指導教室 「Ujiふれあい教室」…「学校へ行きたくても行けない」という小・中学生の学校復帰を目指す教室。TEL:0774(39)9283
●メンタルフレンド派遣事業、リフレッシュ教育相談、保護者ふれあい学習会(年2回)、ふれあい宿泊キャンプなど不登校の子どもたちへの支援事業
※宇治市の不登校に関する問い合わせは、まず各学校で相談を受け付けます
●スクールカウンセラーの派遣
●適応指導教室「ふれあい教室」…スポーツや読書、勉強やゲームなどを通じて自由に学ぶ。相談日:月~金(祝日除く)午前8時30分~午後8時。TEL:0774(56)5308、MAIL:fureaij@city.joyo.kyoto.jp
●スクールカウンセラーの派遣
●教育相談…子ども(幼児〜高校生)の問題に対し、①電話相談②面接相談③訪問相談などで対応(いずれも無料)。①②は火〜金・午前10時〜午後5時、②③は要予約。TEL:0774(46)5640
●適応指導教室「ゆうゆう広場」…小中学生の不登校の子を対象に、個々の適性や興味に応じた活動を支援。TEL:0774(46)5640
●スクールカウンセラーの配置