タケノコ直売店・神﨑屋(向日市)
布施孝一さん
「形を見るのが一番分かりやすいでしょう。下の部分はぐっとしまっていて、胴は太くふくらんでいるものがおすすめです。切り口はみずみずしいものを選んでください。タケノコは、地面から出てしまうと色が黒くなり味が落ちるので、皮全体が白いものが無難です。ただ、穂先が少し黒いくらいは気にしなくてもいいですよ」
「一番いいのはできるだけ早くゆがき、食べること。すぐに食べられない場合でも、手に入れたら早めにゆがいておきましょう。
フレッシュさを保つため、ゆがいた後は真水につけて冷蔵庫で保存。容器は温度が上がりにくいガラスの鉢かステンレスの器に入れるといいですよ。毎日水を変えると、10日間は十分もつと思います。
どうしても生のまま置いておくという場合は、ナイロン袋に入れて冷蔵庫の野菜室へ。底が黒くなったり、水が出てきたら劣化しているので注意してください」
「時期によって変わりますが、3月から4月上旬に採れるのはまだ小さく、柔らかくて香りが良いものです。その香りを生かして、タケノコごはんやお吸い物がぴったりですね。
4月7日ごろから15日ごろは、タケノコ本来の味わいがそろそろ出てくるころ。若竹煮がおいしいですよ。
4月16日から25日ごろまでは最盛期です。地中深いところから出てくるこのころのタケノコは、より美味なのでシンプルな味付けで十分。かつお煮などがおすすめです。
もし、長く保存をして風味が薄れてきたら、濃いめに味付けをしてつくだ煮にして召し上がってみてください」
「長い歴史を持つ西山丘陵のタケノコ。農家の方が一年をかけて丹精込めて育てているこのタケノコを、皆さんにいつでも食べてもらえるようにしたかったんです」と話すのは、小川食品工業(長岡京市)の小川修司さん。今春、この思いで開発に乗り出した冷凍タケノコの本格発売をスタートさせます。
とはいえ、冷凍。あのシャキシャキとしたタケノコ特有の食感や、春の香り。どこまで保たれるのかちょっと気になりますが…。
「なんとかおいしいものを作りたいという気持ちで、試行錯誤してきました。当初は真空パックのものを商品化しましたが、熱処理をするため食感が軟らかくなりすぎるという欠点が。そこで冷凍ではどうだろうか、と開発を始めたのが8年前です」
それ以来、、温度や時間を変えてさまざまな冷凍技術を試してきた小川さん。
「何しろ1年に一度しか手に入りませんから、実験する時間も限られてしまって(笑)。不作の年にはサンプルが作れなかったこともあり時間がかかりましたが、ようやく食感にも味にも自信が持てるものに仕上がりました」
同社の直売店で購入可(http://www.takenoko.co.jp/)。
教えてくれたのは…
家庭料理研究家
並川悦子さん