「もしものときのために入っておこうかな」。生命保険や医療保険に対して、そう思っている人は多いはず。せっかく入るなら、後悔は少なくしたいものですね。読者の体験談を参考に、生命保険との上手な付き合い方について考えてみましょう。
話を聞いたのは…
ファイナンシャルプランナー(CFP®)
伊藤俊輔さん
オススメの保険はこれ! 保険料は月○○円がベスト!といったことは個人によって千差万別、残念ながら一口には言えません。今回はすべての人に共通する、ごく一般的なところをお話しますね
子どもの保険で、けがの1日通院から対応OKのものに加入していましたが、野球でいためた肘や肩の治療は対象外。何カ月も通院した分、ショック!(長岡京市・チェリー・38歳)
知っておきたい「対象外」
「野球肘(ひじ)や野球肩のように、同じ動作を積み重ねて起こるけがで保険金が出ることは、まずないと思っていいでしょう。対象となるのは基本的に突発的な事故が原因のもの」と伊藤さん。
とはいえ、万が一に備えて入っていたのに保険金が受け取れないと、がっかり…。
「保険に加入するときには『どういうときに保険金が出るか』とあわせて、『どんなときだと出ないのか』も聞いておくことをお勧めします。イメージを理解して加入すると違ってくると思いますよ」
がん保険に入ろうと思いつつ引き延ばしていたら、子宮頸(けい)がんの検診で引っかかり、手術することに。もっとさっさと入っておけばよかった…(北区・すずらん・30代)
1歳でも若いうちから備えよう
過去にかかってしまった病気や、現在も治療中の病気、難病を持っている人でもケースによっては加入できる商品がこの数年で増えてきています。「少子“超”高齢化社会のいま、ニーズに合った商品を提供すべく、どの会社も工夫しているんですよ」と伊藤さん。ただし「掛け金は健康な人よりも割高」。そのなかでも、がんに関わることについてはとても悩ましいようです。
「保険については健康な人ほど選択肢が多いのは事実です。1歳でも若いときに入るほうが掛け金も安くなります。でも、この読者さんもそうだったのだと思うのですが、特に20~30代は『自分は大丈夫』と思いがち。そう思っているうちは、いくら人に勧められてもピンとこないものです。せめて『保険に入ったつもり貯金』ということで、毎月1万円など一定額を積み立てることから始めてみましょう。たまったお金は、いわば『じぶん保険』です。加入できる保険商品を探すことも大切ですが、自分でまとまったお金をつくっておくということも、大切な考え方です」