テレビとの付き合い方は?

お疲れリセット、元気な人に聞く 笑顔の秘訣

「常に、人に対して少しでも
良いことをしたいという気持ちで」

「初対面の人でも、オープンな気持ちで全部を受け入れる気持ちでいます。すると、相手といい関係を築けるんです」

「おはようございます!」と笑顔とともに出迎えてくれた吉井純子さん。初対面でも吉井さんの包み込むような温かさが記者に伝わってきます。紹介者は、吉井さんが共同経営をする美容院「ビューティーサロン愛」にお客さんとして通うKTさん。「いつも朗らか。会うと元気をもらいます」という推薦文通りの印象です。

「私はいつも自然体でいるだけ(笑)。お客さまにもあまり気を使わず、好きなことを言ってますからね。それが、私のストレス解消にもなっているのかも。 でも、人に対して少しでも良いことをしたいという気持ちはあります。キレイになって帰ってほしいというのはもちろん、ここに来てくつろいでほしいし、元気にもなってほしい」

そのためには自分も元気でいないと、という吉井さん。

「体が疲れたときはよく眠ります。心のメンテナンスには聖書を読んだり、それからおしゃれをしたり。自分の身を構うことも大切ですよ。出かけるときはメイクをして、髪を整えて。そうすると、精神的にシャンとするもの」

中には、お茶を飲みながら半日ほどくつろいでいくお客さんもいるのだとか。そうやって元気をチャージしているのかもしれませんね。

「好きなことをする時間をつくるには、作業を分担・短縮」

週に2回、空手を習っている山口さん。「適度な運動をすると眠りが深くなる気がします。声を出しながらというのもストレス発散になっているのかもしれません」

「周りからは活動的やなぁっていわれます。自分ではさほど思わないんですが」という山口さんのスケジュールを聞くと、仕事の料理教室に、3つの習い事、休みの日には家族とアウトドアへ。十分に活動的だと思いますが…。

「よく時間があるねといわれますが、時間はつくるもの。掃除も料理もどちらも全力ですると時間がかかりますが、私は掃除はルンバにも頼ってます(笑)。それから、できることは子どもたちにも手伝ってもらう。作業を分担・短縮することでできた時間は自分の好きなことに使えます」

そもそも暇なのが苦手という山口さん。

「やっていること、例えばおけいこ事自体がリフレッシュになっているので、スケジュールがいっぱいでも平気。好きなこと=ストレス発散になっているんでしょうね」

それでも疲れたときは「まず睡眠。それから食事。普段は7分づきの玄米を食べているんですが、玄米の繊維ってしっかりしているので、疲れているときに食べるのはキツイんですよね。ですので、体調が悪いなってときは白米やおかゆなど消化の良いものを食べて体に負担がかからないようにしています」。





「睡眠は何時間とらなければいけないということはありません。朝スッキリ起きられて、日中に眠くならなければ何時間でもいいんですよ」

「上手に眠るポイントは光・食事・温度」
たなか睡眠クリニック 院長・田中俊彦さん



「体のメカニズムとして、起きているときは疲労物質がたまり、寝ることで解消されると考えられています」と田中さん。つまり、疲れたから寝るというのは自然の摂理なのです。そこで、疲れをしっかりとるために深く眠り、すっきりと目覚めるための3つのポイントを教えてもらいました。

①朝は太陽の光を
起床後に太陽の光を浴びて体内時計のリズムがリセットされると、そこから約15~16時間後に眠気が出てきます。朝に光を浴びると、寝つきが良くなり、睡眠も深くなるのだそう。家の中にいることが多く太陽光を浴びる時間が短いと、睡眠が浅く、長くなるので注意を。 また、夜間の過度に明るい室内照明は体内時計のリズムを遅らせることになり、自然な入眠時間が遅れてしまいます。

②トリプトファンを増やそう
興奮した神経を抑制する働きをする神経伝達性物質がセロトニンです。睡眠にはこのセロトニンが欠かせませんが、体内ではつくられないので、体内でセロトニンに変わるトリプトファンを食事で取り入れなければなりません。ちなみにトリプトファンは、バナナや牛乳、納豆・豆腐などにも含まれています。

③眠る前に体温を下げる
効率よく眠りに入るためには体温を下げることが必要。そのため、温かいものを食べたり、入浴や軽い運動をして、いったん体温を上げ、下がってきたところで眠るのがコツ。



「私のリセット法は学生との会話です。若い人と接するだけで、元気がもらえるんです」

「“切り替え”で、心に余裕を」
同志社大学心理学部 教授・鈴木直人さん



「心や体の疲れをとり、リフレッシュするために自分が好きなことをすることも効果があると思いますが、考え方や見方を変える、ということを試してみるといいですね」と鈴木さん。

「大切なのは“切り替え”。思い悩んで心理的に疲労してしまったときは、わざと違うことをしてみるんです。例えばテレビなどを見て大笑いすることも効果的です。思いっきりあくびや深呼吸をするのもいいかもしれません。何らかの形で疲れの原因である考えを断ち切ることで、心にスペースが生じ、違うことを考える余裕が出てきます。物の見方が変わる可能性もあるので、疲れの原因を『そんなことだったのか』と思えるかもしれません。運動をする、お茶を飲むというのもいいんですよ。ただし、お茶を飲みながら思い悩んでいてはダメですよ(笑)」

“物の見方が変わる”ということにもポイントが。

「変わる、と同時に“変える”努力も必要。ネガティブな気持ちのままだと、精神的な疲れの原因を消すことはできず、ますます落ち込んでいきます。ポジティブな考え方ができると、自分にとって有益な情報の量が多くなります。多くなると、良い選択ができるようになります。すると、良い状況がもたらされ、さらに自分の置かれた状況をポジティブに考えることができるようになれるんです。

もちろん問題の大きさや内容によりますが、心の疲れを感じたとき、自分の考えにとらわれるのではなく、ちょっと違った観点からその事柄を見てみることも大切ですよ」

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