東日本大震災から半年 わが家の危機管理は?

東日本大震災から半年 わが家の危機管理は?

心配は直下型の地震 もう一度、対策の確認を

「東日本大震災では津波が大きな被害をもたらしましたが、京都市周辺で心配されるのは活断層による直下型地震です。家の耐震、家具の固定といった、従来からいわれている対策をあらためて確認してください」と京都市市民防災センターのインストラクター・リーダーの清水亜希子さん。

震度7を経験できる同センターの地震体験室には、子どもたちも多く訪れます。「揺れに驚き、怖がるお子さんも。いざというとき落ち着いて行動できるよう、地震の揺れを体験しておくのも備えのひとつです」

「とにかく身の安全が第一。机の下など身を守る場所がないときや屋外では、かばんや本で頭を保護するように話しています」とも。

 

クリックするとPDFデータがダウンロードできます

また、防災意識の高まりからか、4~7月の同センターへの来館者数は、昨年より約4200人増加。非常持ち出し袋を買い求める人が多かったのだとか。

「袋には一般的な非常持ち出し品のほか、家庭ごとに必要なものを入れてください(左記参照)。日頃飲んでいる薬があれば、薬とその名前を書いた紙を入れておくと安心です。ただし“詰め過ぎて重たい”“どこにあるか分からない”ということがないように、家族でよく話し合いましょう。

災害時には、携帯電話はつながりにくくなりますが、公衆電話は比較的つながりやすいので、10円玉を用意しておくのもおすすめです」(清水さん)

京都市市民防災センター(南区西九条菅田町7)=TEL:075(662)1849

市や府でも、新たな動き

京都市、京都府でも防災対策の見直しに着手しています。


京都府府民生活部危機管理・防災課、
参事 早川喜代司さん


京都市消防局防災危機管理室、
防災課長 白木貞二郎さん

「京都市では避難所など人に関する支援、情報伝達手段、都市基盤の3つの部会で防災対策の総点検を行い対応策の検討を行っています。原子力災害や被害想定についても専門委員会を設けて検討中で、これらは12月に最終報告がされる予定です」と京都市消防局の白木貞二郎さん。

また京都市内にいる市民や観光客の携帯電話に、避難勧告などの緊急情報をメールで知らせる「エリアメール」を8月10日からNTTドコモで開始(一部受信できない機種あり)。他社でも順次導入予定とか。さらに9月3日(土)に上京区の京都御苑や元春日小学校で行われる防災訓練では、新しく避難所の運営訓練なども行われます。

※9月3日(土)に行われる予定だった、京都市の防災訓練は台風の影響により中止になりました。

京都府では、京都府が原子力発電所に隣接することから「府民だより」7月号でも紹介されたように、「原子力発電所防災対策暫定計画」がすでに策定されました。さらに「京都府地域防災計画」を年度内をめどに改定中だそう。また9月4日(日)には地震、津波、原子力の複合災害を想定した防災訓練を舞鶴市で実施。「舞鶴での実施は1995年以来。高台への避難や海上漂流者の救出訓練のほか、船舶の接岸訓練なども行われます」(京都府府民生活部危機管理・防災課、参事の早川喜代司さん)

問い合わせ

京都市消防局=TEL:075(231)5311(代)
京都府府民生活部危機管理・防災課=TEL:075(414)4473

仙台リビング新聞社
「リビング仙台」編集長・藤崎由紀子さん

仙台市の避難所は7月31日ですべて閉鎖されました。災害ボランティアセンターも8月10日をもって集約、ボランティアによる支援は、長期的な視野に立ったものへと移ってきています。この夏からは、人を街を元気にしたいと、祭なども積極的に開催されています。前に進むには心の元気が必要。そのこともいま、強く感じます。


福島リビング新聞社
「リビング郡山」編集長・鈴木朱美さん

震災以降、幾多の困難に立ち向かってきた福島県。徐々に避難所が閉鎖され復興の兆しを見せる一方、放射線との戦いは今もなお。ただ、福島県は全国第3位の広さ。地震や原発事故の影響を受けていない地域もたくさんあります。全国屈指の温泉や紅葉スポットなど観光資源も豊か。風評に惑わされず、福島の良さを見つけに足を運んでください。

このページのトップへ