読者が推薦!私の街の“いい女”

郷土愛でつながってます 京都で活動する県人会

滋賀県人会

“音頭取り”と呼ばれる歌い手のリードで参加者が踊る江州音頭。当日、登場する音頭取りは、県内各地の江州音頭の会から選ばれてきた“つわもの”なのだとか(会場では、げたの着用は禁止されています) ※写真は昨年の様子

「びわ湖の水に感謝する江州音頭フェスティバル」のための会議も回を重ねて、準備万端です!

京都には、お隣・滋賀の県人会もあるんです。滋賀県出身で、京都で働き、暮らす人が中心となり、その数400人!

「京都滋賀県人会」のメンバーの結びつきをグッと強固なものにするのが同好会の存在。ゴルフ、民謡、ボーリング、歴史探訪、写真、舞踊、囲碁将棋とある中で、特徴的なのが「江州(ごうしゅう)音頭同好会」です。

「滋賀で盆踊りというと江州音頭。学校の体育の授業で習ったという人も多いですよ。音楽が流れると、つい踊りだすという人も(笑)」というのは、同会事務局長。江州音頭を知らなかった記者に(スミマセン)、実際に踊ってみせてくれながら「踊りの一つ一つに意味があるんです」と説明してくれるサービス精神旺盛な事務局長です!

その江州音頭を盛り上げるのが、滋賀県、京都新聞社とともに8月10日(水)に「みやこめっせ」で開催する「びわ湖の水に感謝する江州音頭フェスティバル」。今年で30回目を迎える夏の恒例行事です。当日は滋賀県人はもちろん、京都市内の企業や小学校の児童も参加するのだそう。

ところで皆さん、蹴上のインクラインに展示されている2曹の三十石船を見たことがありますか。実はこれ、昨年設立50周年を迎えた同会が寄贈したもの。京都の街の意外なところに、県人会がかかわっているんですね。

岩手県人会

四条河原町で行われた募金活動。
青いのぼりと法被が目印に

左から、事務局長の熊谷俊夫さん、会長の及川靜衛さん、佐々木享さん。取材中、「日本で一番広い県って知ってる? 岩手なんですよ」「わんこそば、食べたことあるの? 僕はね、40杯が最高です」などと、岩手ネタでも盛り上がりました

「遠く離れた京都で何ができるだろうか」「私たちも何か手伝いを」。東日本大震災で多大な被害を受けた岩手県の出身者が集まる「京都岩手県人会」。そんな思いを込めて3~4月にかけて実施したのが、四条河原町での「街頭募金」でした。

「計10回行ったのですが、私たちのような岩手出身の人が『本当は現地に行きたいんだけど』と言って募金をしてくれたり、子どもが100円玉を握り締めて来てくれたり。本当に涙が出るほどうれしかった」と話すのは、同会会長の及川靜衛さん。

この募金活動では若いパワーとの出会いもあったそう。それが、京都産業大学2年生の男子学生です。彼は、3月11日、帰省していた岩手の実家で被災。その後、京都に戻ってきたのですが、岩手県人会が募金活動をすると聞いて、駆けつけてきてくれたのだとか。

「今、メンバーは80人ほどで高齢化が進んでいます。そんな中、若い彼が大いに力になってくれました。声も大きいし(笑)」

この男子学生をはじめ、この震災をきっかけに20~40代の若い世代の入会者が増えた、と及川さん。その根底にあるのは世代を超えた“郷土への思い”なのでしょうね。 まもなく結成30年を迎える同会では、年間を通して、さまざまな集まりや催しも行っています。8月1日(月)~31日(水)には、清水寺にて「南部風鈴を愛でる催し」がありますよ。岩手県人の心に響く南部風鈴の音色、聞きに出かけてみませんか。

岩手県人会

「イエーイ!」とノリが良い熊本県人会の皆さん。取材終了後、「せっかくやし熊本の馬刺し、食べて!」と記者とカメラマンにも名物料理をおすそ分けしてくれました ※撮影協力/「ひごつ堂」

「京都熊本県人会」の皆さんに集まってもらったのは、熊本名物“馬刺し”のお店。この春、こちらで同会による東日本大震災の被災地への「馬刺しでチャリティー」が行われました。「自分たちなりの支援をしたい」との思いで、ふるさとの味をチャリティーに結びつけたのだそう。

「当日の売上金で、同じく熊本名物のふりかけ“御飯の友”を購入。それを京都市を通して、被災地に届けてもらったんです」と、同会の松塚信子さん。「このふりかけで作ったおにぎりを、現地の方々に食べてもらいたいという思いで企画しました」

取材当日も、テーブルには「熊本県人の集まりには欠かせません!」(松塚さん)という馬刺しや馬肉を使ったご当地料理が並びました。そして、そのテーブルを囲む人の中には親子連れも。5歳と3歳の子どもと一緒に来てくれたのは、西田さん夫婦。夫婦共に熊本生まれ、熊本育ちです。

「入会したのは1年半ほど前。ふるさとから遠く離れて、家族も親せきもいない。そんなとき、この会のことを知って懐かしくなり、参加するようになりました。子どもたちにとっては、おじいちゃんやおばあちゃんがいっぱいいるみたいで(笑)。なんて言ったら怒られるかもしれませんが、でも、ここで熊本のDNAを受け継いでほしいな、と思います」

現在、熊本県人会のメンバーは300人ほど。大学生や若い世代の社会人も増えてきたそう。

「イベントをするときなんかに、知り合いの熊本県人を『ちょっと手伝って』って引っ張ってくるんです。それで、『熊本弁で話すのって楽しいなぁ』って思ってもらえると、ね(笑)」(松塚さん)

県人会では、出身者だけではなく、その土地にゆかりのある人、その都道府県がスキッ!という人でも入会できる会があります。まず雰囲気を知りたいという人は、8月6日(土)・7日(日)に開かれる「鴨川納涼」に出かけてみませんか。各県人会による産品の展示販売があり、県人会のメンバーとも触れ合えます。  ─ところで「私は、京都出身だし、県人会がなくて残念〜」と思っている人、いませんか。実は、ここ京都にも京都の県人会ならぬ「ふるさと京都会」があるんです。京都愛を、もっと深められますよ。  各県人会についての問い合わせは、「京都ふるさとの集い連合会」=TEL:075(255)9759=へ。

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