この夏は、関西でも節電が必要になる様子。でも「具体的にどうしたらいいのかわからない」という人も多いのでは。一足先に節電やエコに取り組む人たちに、その工夫や実践しての感想を聞きました。
京都市の省エネの実践事業に参加した西京区の松陽地域女性会。エコライフの勉強会をし、毎日の電力消費量が見られる「省エネナビ」を使ったり、使わないコンセントは徹底して抜いたりして省エネに取り組みました。「前年同月に比べて1100円も電気代が安くなりました」と木下美知子さん。
この日はワットチェッカーでさまざまな家電製品の消費電力を調べました。「掃除機は“強”で約900W。“中”は590くらい、“弱”にしたら350になったわ」「電気ポットも消費電力が高いって聞いたけど、お水入れたら5Wくらいからどんどん上がって910W以上にもなったよ」「ドライヤーは…えーっ!
強風は1100Wも!?」。“中”にしたら500W、冷風なら40Wに。
「やっぱり熱を出すものが消費電力が大きいんやねえ」とみなさん。「こまめに強弱を切り替えるのが大事なんやね。私も掃除機を使うときはじゅうたんだけ“強”にして、あとは“中”にしてる」(朝倉里野さん)。小林邦枝さんも、「私も電気ポットのつけっ放しはやめた。使わないときはコンセントも抜いてる」と教えてくれました。
続けられることが大事
「娘は一人暮らしなんやけど、防犯面を考えるとやたらと電気消せとは言えんわ」と奥野康子さん。必要なものと“ムダ”の見極めが大事ですね。
「切り詰めるのではなく楽しむスタンスで、続けられる範囲のことに取り組むのが大事。リバウンドしたら何にもならんし」(朝倉さん)
「もう大きな節電は主婦はみんなやってる。あとは細かい努力をどれだけするか」との奥野さんの言葉に、みなさんうなずいていました。
松尾学区自治連合会(西京区)では、これまで2期にわたり、「松尾エコ塾」という省エネ勉強会シリーズを実施。「第1期は各種団体長、2期は町内会長の皆さんに呼びかけ。毎回14~15名がご参加くださいました」(副会長・関矢幸子さん)
震災後は参加メンバーの意識が変わったといいます。「これまでは環境のためでしたが、今はもっと切迫したものになっている。若いお母さんに勉強してもらって、子どもたちにも教えてあげてほしい」と会長の荒木祐靖(すけのぶ)さん。第3期となる今年は、小学校PTAに参加を呼びかけるそう。
地域でエコイベントを
でも荒木さん、2期のエコ塾を経て、思うところがある様子。「塾で学んだ数十人が、自身で省エネを実践することも大事です。でも彼らに、1万2800人の学区民に省エネの知識を広めるリーダーとなってもらえたら、もっといいですよね」。そのために考えたのが、地域イベントの開催。「家電製品の消費電力を計るワットチェッカーを使ってLEDと白熱灯の電力の違いを実際に見られたり、子どもたちにゲームなども用意して、家族で遊びながら省エネについて学べる場に」と関矢さん。「私たちがエコ塾で学んだ知識を、地域のみなさんに伝えられたら」(荒木さん)
まずそのお試しとして、10月16日(日)午前10時~午後2時ごろに行われる松尾小学校のバザーにエコ塾ブースを設けるそう。「来年夏には、“松尾エコフェスタ”として開催したい」と荒木さんは意欲を燃やします。松尾学区から、省エネの動きがどんどん広がっていくといいですね。
□ 冷蔵庫
開閉頻度を少なくし、物を詰めすぎない□ 掃除機
部屋を片付けてからかける□ 暖房便座
夏は保温便座の電源を切る、使用後はふたを閉める□ テレビ
見る時間を1日1時間、短くしてみる□ パソコン
画面の明るさを抑える、使用後は主電源を切る□ エアコン
フィルターの掃除は2週間ごとに□ 照明
電球を替えるときは省エネ電球やLEDを選ぶ□ 電気ポット・炊飯器
お湯の保温はやめ、必要な分をその都度沸かす