大人の何げない一言。子どもはそれを、ときにはうれしい、ときにはつらい記憶として残しているかもしれません。
今回は、リビング読者に「小さいときに言われて、記憶に残っていることばを教えて」とアンケートを実施。心に刻まれた一言を紹介します。「自分の子どもに言ってるかも」「子どもってそんなこと気にしてるの?」と、自分の言動を振り返る機会にしてみては。
臨床心理士であり、子育て支援も行う大谷大学文学部教授の佐賀枝夏文さんのコメントも参考にしてくださいね。
「親と子は、生涯に数え切れないほど対話をします。子どもは、その中のことばからキーワードを見つけて“自分の物語”を作っていきます。親としては、願わくば子どもには幸せな道を歩んでほしいと思うものでしょう。そのためにも、ことばの重みを意識して話をするのがいいと思います。
ただ、子どもは大切なことをかぎ分ける能力があります。大人は、伝えたいことを懸命に、素朴に話をすれば、子どもは周りと協働できる人になれるのではないでしょうか。
私が大人の皆さんにお願いしたいのは、子どもたちに『どんなにつらくても悲しくても、あなたが存在することが大事』という気持ちで会話をしてほしいということです。子どもたちには、大人のことばと気持ちを受け止めて、しなやかに生きる“物語”を作っていってほしいのです」