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ちゃんと知って、しっかり防ごう 解消!食中毒のギモン

蒸し暑くなると、心配になるのが食中毒。でも毎日のごはん作りで、いざ気をつけようとしても、「本当にこれでいいの?」と思うことは多いもの。専門家に、具体的な方法を教わってきましたよ。

読者アンケートで多く寄せられた疑問について、健康と環境に関わる調査研究などを行う、京都府保健環境研究所の細菌・ウイルス課の真田正稔さんと浅井紀夫さんに尋ねました。

同じものを食べても、あたる人と大丈夫な人がいるのはなぜ?
顔が人それぞれ違うように、免疫力も異なります。同じ菌やウイルスが体に侵入しても、免疫力の差で症状の大小が決まります。殺菌に貢献する胃酸の量も影響します。
また、同じ人でもそのときの体調(免疫力の強弱)により異なりますし、体に入った菌やウイルスの量にもよります。
清潔を気にしすぎて、抵抗力が弱まったりしないのでしょうか
そうかもしれません。日本では腸チフス、コレラ、赤痢などの食中毒はめったに起こりません。
日本は先進国の中でもダントツに衛生状態が良いですが、免疫力が落ちているかどうかは不明です。
しかし衛生状態の悪い国に旅行し、現地の人と同じように生活すると、日本人はすぐ病気になることが多いようです。
だからといって、あえて不衛生な環境を作るのはおかしな話。日本が現在のような長寿大国になったのは、衛生状態が向上し、乳幼児と高齢者の両方の死亡率が低くなったからです。
病気にならないためには、体調管理をしっかりすること。睡眠不足やストレス、疲労によって免疫力が落ちたり、胃酸の出が鈍ったりします。
生もの以外でも食中毒になりますか
なります。生肉や生魚を調理した器具や人の手指から別の食器や食材などに菌が付着し、それが口に入ると食中毒を起こします。
また加熱が不十分な食材では菌は死んでいないので、これらを食べた場合も同様です。
セレウス菌など土にいる細菌は野菜に付着していますので、生野菜は十分洗って食べましょう。

キッチンで気をつけたいこと

調理時に注意したいこと、その方法について、京都女子大学家政学部食物栄養学科・准教授 桂博美さんに教わりました。

まな板はどのように
手入れするべきでしょう
木製まな板は、使う前に一度水洗いしてから使用を。こうするとまな板の奥まで汚染が広がりません。使用後はすぐ洗剤などで洗い、“素早く、よく乾燥させる”ことが重要です。
樹脂製まな板は、乾燥しやすい点は木製品よりいいですが、まな板の傷に汚染が残りやすくなります。ときどき漂白剤にさらすなどして殺菌するとよいでしょう。
どちらにしても、“肉魚用と野菜用に用途を分ける”ことが重要です。
まな板を2枚置くとかさばります。
表と裏で使い分けても良いですか
分けないよりは良いです。野菜用の面と肉魚用の面はあらかじめ決めておきましょう。また最近よく売っているシート状のまな板を活用すれば、省スペースでまな板を分けることができますね。
「肉はよく火を通して」といわれますが、具体的にはどのくらい?
自宅での調理は、中心まで加熱されていることが大事。食品の中心部の温度が75℃以上に達してから1分以上加熱されれば十分といわれています。切ってみて赤いようであれば電子レンジでもいいので再加熱を。原則、焼く際はふたを使って。ふたなしでは鍋表面に触れている面しか温度が上がらず、中心への熱の伝わりが不十分になりやすいためです。
生肉をフライパンに入れる箸、焼いている途中に使う箸、焼きあがって取り出す箸…それぞれ分けるべきでしょうか
生肉に触れた箸はすぐに洗剤を使ってきれいに洗い、よく乾燥させます。入れる箸と取り出す箸は分けた方がよいでしょう。金属製のフライ返しなどであれば、焼いている最中に器具の温度が上がれば問題ありません。
牛肉はレアが好き。でもこの時季は中までよく火を通すべきでしょうか
通常、肉の菌は表面に多く付着しています。中まで入り込んでいる菌は少ないので、普段から半生の肉をよく食べている健康な人なら大丈夫です。
肉など生ものを買う際に
気をつけるべきことは?
カゴには買い物の最後の方に入れて、温度が上がらないように注意します。保冷バッグなどを持参するといいですね。
生ものを切ったまな板などを洗ったスポンジから、食器などに菌が移りませんか
その危険があるので、スポンジも肉魚用と野菜用に分けましょう。生の肉・魚を切った包丁やまな板は肉魚用のスポンジで、食器用洗剤を使って洗います。加熱料理に使用したものならすべて野菜用スポンジで洗ってOK。いずれのスポンジも、食品が残らないようにきれいに洗い、よく乾くように立てて置いて。
「色で分けて、さらに油性マジックで“肉魚”と書いておくと家族も間違えにくいですよ」
ふきんの洗濯は洗濯石鹸(せっけん)でいいですか。交換の目安は
ふつうの洗濯石鹸で十分です。食器ぶきふきん、台ふきとも、理想は毎日洗って交換を。早くしっかり乾かすことが重要。
ふきんは早く乾くように、さお2本に渡して干すといいですね

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