今年度から5、6年生を対象に、全国で“小学校英語”の活動が始まりました。教室の雰囲気はどんな感じ? 小学生のうちに英語に親しむことでどんなメリットがあるの? 始まって約2カ月。実際の英語の時間も見学してきましたよ。
「Stand up, please」
京都市立朱雀第二小学校6年い組の英語の時間の始まりの合図は、当番の児童によるこの一言。
「Good morning」「How are you?」などのあいさつの後、当番が「Let's study!」と呼びかけます。小学校の教室でこんな英語が飛び交うのは、小学校を卒業して数十年という記者には新鮮でした。
訪れた日は、今年度6回目の英語の時間。この日の目的は、前回の復習も兼ねた「21~100の数字の言い方に慣れ親しもう」。もう一つは、「アルファベットの大文字・小文字について知ろう」です。さぁ、まずは1つ目の“数字”をレッツスタディー!
黒板にはられた2桁の数字を、どんどん声を出して英語で読んでいく子どもたち。「Big voice!」「Good!」など、担任・中村理恵さんも声をかけていきます。子どもたちは「31はないの?」「48がいいわ~」。あぁ、アイスクリームのお店とAKB48! 子どもたちもノリノリです。
「これはどう?」と次に中村さんが指したのは“30”。「サーティ」「サーティーン」。んん?
中村さんは、「ローング? ショート?」と両腕を広げたり、狭めたりしながら質問します。サーティーンと伸ばすかサーティと短く言うか、ですね。ジェスチャーが加わると分かりやすいし、記憶にも残りやすそう。
この後は、タッチパネル式の音声システム付き電子黒板が登場。ネーティブスピーカー(※)が読み上げる数字をビンゴ形式でノートのます目にチェックしていきます。このシステムを利用することで、正確な発音を聞けるのです。
実は、ネーティブの読み上げを聞く前に、中村さんが数字を読み上げていました。これは、いつも聞いている担任のゆっくりとした声を耳にすることで聞き取りやすくするためだとか。なるほど、その後に聞いたネーティブの発音は(記者にとっても!?)速め。中には聞き取りづらい子どももいるかもしれません。
さて、次のお題はアルファベットです。大文字は前回までに習ったとのことで、今回は小文字が主役。どうやら、「似ている」ということが一つのキーワードのよう。黒板にずら~りと並べた小文字のアルファベットを見ながら子どもたちは、「bとd、間違いやすいわ」「似てる」「向きが反対だから」「iとlも、上にチョボがついているかどうかだけ」「pとqも似てると思います」
中村さんの「なんで?」「どこが?」「どれが?」という問いに、観察し、答えていく子どもたち。こうして、自分で発見することも大切にしているんですね。
英語の時間を初めて見学した記者は、子どもたちが英語にノビノビと親しんでいる様子を見て、こちらまで楽しい気分になりました。一人が発言すると、大きな声で「Yes!」「No!」「Good」と声を掛け合います。こういったことも、小学校英語で大切にされているコミュニケーションの一つといえそうです。