- ●何かを覚える勉強ではないので、楽しんでしています。先生が英語が得意ではないようで心配ですが(Y・41歳)
- ●楽しいようですが、塾に入っていないので少し不安そう(プーママ・36歳)
- ●ゲームなどを取り入れて進められているらしく、とても楽しいそう。苦手になったり、拒否反応を起こさず、うまく英語に親しんでほしいと思っています(M・39歳)
- ●6年生の子は「分からなくなってきた」と言って、問題集でコツコツ頑張っています。外国人の先生に習いたいようです(チェリー・37歳)
始まったばかりの取り組みなだけに、分からないことも多い小学校英語。アンケートをとった読者からも、たくさんの疑問が寄せられました。それらの疑問に、京都市教育委員会・学校指導課の新田正さん、小司敦彦さんが回答してくれましたよ。
国際化、グローバル化といわれている時代にあって、外国語活動を教育としてもやっていかなければならないと考えられてきました。そこで、中学の授業の前倒しではなく、小学校でできることはやっていこうと、今年度から始まりました。
全国で統一して行うということも目的の一つです。これまで、まったく外国語活動をしていない小学校もあれば、『総合的な学習の時間』を利用して独自に行っている学校もありました。そのばらつきを解消するということです。
この活動を通して身につけてもらいたいのは、英語でコミュニケーションを図る素地を身につけるということ。『英語っておもしろい』と感じた子どもが、『中学校でも、もっとやってみたい!』という気持ちになれるようなカリキュラムのもと、指導を行っています」
「活動の主な目的は次の3つ。コミュニケーションへの関心・意欲・態度を高めること、外国語に慣れ・親しむこと、言語や文化に関する“気付き”を育むことです。
その目的を達成するために重要なのが“聞く”と“話す”力です。ゲームやクイズなどの遊びの要素も取り入れながら、指導が行われます。
ちなみに、この時間で文法を教えることはないんですよ」
「時間割の問題も大きいですね。新しい学習指導要領では、外国語活動は週に1時間で35コマと決められていますが、総合的な学習の時間がない1、2年生では、確保する時間がありません。その点、5、6年生は総授業時間が増えたことと、これまで110時間あった総合的な学習の時間が今年度から70時間になったことなどから35時間の余裕ができ、時間の確保がしやすくなったのです。
アンケートの中には、『もっと低学年から始めたほうが英語への抵抗がなくなる』『まず国語をしっかり、英語は中学からでも良い』などの意見もあったそうですね。実は、今回、5、6年生から始まると決められましたが、これは将来的には変わる可能性もあります。
現在、研究開発校として指定されている小学校では、1年生や3年生から外国語活動を始めているところもあります。また、“話す”だけではなく、“読む”を意識し、教科として行っている学校もあるんです。
これら研究校の今後の成果によっては、スタートする学年や時間なども見直されるかもしれません」
「担任が英語の指導をすることに抵抗を感じる保護者もいらっしゃいますね。ただ、京都市では、『小学校英語活動研究会』を立ち上げ、以前から指導法などについて研修を数多く行ってきました。
担任による指導のメリットとしては、普段は関西弁を話している先生が英語を話すことで敷居が低く、子どもたちも英語に親しみやすいという点もあるように思います。英語に接することでの子どもたちの変化や成長なども、普段から接している担任だからこそ気付くことも多いと考えています。
もちろん“聞く”ことに重点を置いていますので、正しい発音に触れることも大切です。そのために、CDやDVDなどの視聴覚教材も有効に使っています。
また、“ALT(アシスタント・ランゲージ・ティーチャー)”というネーティブの講師も参加。生の英語に触れる機会も設けています」
「外国語活動の時間確保には、総合的な学習の時間を利用しています。先ほどの回答でもご紹介したように、これまで110時間あった総合的な学習の時間の中から35時間を確保しているので、外国語活動のためにほかの教科を減らしていることはありません。
学習指導要領の改訂に伴い、国語、社会、算数、理科の時間は増えているんですよ」