家族が毎日を過ごす家。その居心地の良さが、家族の関係にまで影響することもありますね。建て替えやリフォーム、模様替えなど、さまざまな方法で、“わが家”をより良い場所に変化させた読者に、そのポイントを教わってきました。
風格ある瓦屋根と、立派な丸太の柱が印象的な高橋家の玄関。中に入ると、玄関、LDKと奥座敷に囲まれる形の中庭が。「この中庭があるおかげで、家の中にいても外の空気が感じられます。昼間も照明が必要ないくらい」と邦子さん。
中庭の窓を開けると、ふわっと風が通り抜けました。「夏も涼しいんです。酷暑だった昨夏も、冷房を使ったのは数回だけなんですよ」と驚きの発言も。
家を建てる際にこだわったのが、日当たりと風通しの良さ。「以前の住まいは暗くて湿気が多かったので、その反動だったのかも。夫婦とも和のテイストが好きで、本当は縁側を付けたかったんですが、広さや立地から難しいことがわかって。でも設計をお願いした『いたや工房』の石巻さんが代わりに中庭を提案してくださいました」
家を新築する際に最も時間がかかったのは、相性の合う工務店探しだったのだとか。「いくつも工務店や住宅展示場を回り、3店くらいに絞って検討していました。中でも石巻さんは話をよく聞いて私たちの好みを理解し、こちらが望む以上の提案をしてくれたんです」
高橋家には2人の子どもがいます。「息子が小さかったときは、友達とこの中庭で砂遊びをしたり、夏にはプールを出したりも。車が通る心配がないから安心して遊ばせられました。今は娘がお花の世話をしてくれています」。これからもこの中庭で、家族の思い出がたくさん生まれそうですね。
高い天井と大きな窓が特徴の中岡家のLDK。「家探しの際も緑が周りにあることを重視したんです。その甲斐あって、家事の合間にも、窓からの風景に心が和みます」と薫さん。隆造さんによると、「この間まで山桜が咲いていたし、動物もやって来ます。サルが来ますよ」とのこと!
築30年以上の家を基礎からリフォーム。イメージは“プロヴァンス”です。「洋書などを元に、寝室はこれ、お風呂はこれ、と写真を使って希望するイメージを具体的に伝えました」(薫さん)
施工を行ったのは「ヴァニラリーフ」。珪藻(けいそう)土の壁や柱、床のタイルなど、同社の高倉さんにやり方を教わって、可能な限り自分たちで仕上げたのもこだわりポイント。「中岡さんは味のある感じが好みだったので、その点でも良かったんですよ。プロが行うときれいになりすぎるので」と高倉さん。
リビングの塗装は「僕がやりました」と隆造さん。「一度に一面を塗らないといけないので、弁当を差し入れてもらったりして夜中までかかったことも。しんどかったけど、やってみると楽しかったですよ」。経年の雰囲気を出した柱は、一度塗装したものを削り、再度塗料を塗り重ねるという力作です。
トイレの壁は模様のように塗り跡をつけてありますが、こちらや1階の壁は薫さんが担当。「しばらくはお店などでも壁の塗り方を気にしていましたね」と笑います。手をかけたからこそ、愛着もひとしおですね。