いよいよゴールデンウイークが始まりますね。気持ちのいいこの時期は、親子でハイキングというのも楽しいもの。今回は、京都で活動する森林インストラクター・磯野文彦さんおすすめの3つのコースを紹介します。親子で行く際のポイントや心構えもチェックして、さぁ出発!
4月のある晴れた日の土曜日、午前10時30分。この日は磯野さんの案内で、瓜生山にハイキングです。磯野さんの6歳・4歳の息子2人も同行するとあって、にぎやかな山歩きになりそう。
瓜生山の登山口は、山中越えの途中にある京都バプテスト病院(左京区)駐車場を奥に進んだところ。先頭は、「前にも来たことある~」という子どもたち。頼もしいガイドになりそうです!
なだらかな山道を登りつつ、磯野さんは「これは和製クレソン、オオバタネツケバナ。ちょと辛いけどかじってみ」と、子どもたちに“野草の授業”。子どもたちも「コゴミあった! “マヨポン”で食べたらおいしいねん」と記者に教えてくれます(ですが、磯野さんに「それコゴミちゃうで」と訂正されていました)。
歩きながら、2人に「暑くない?」と声をかける磯野さん。「自分が暑いな、と思ったら聞いています。何枚か重ね着して、汗をかかないよう暑くなったら脱がします」
歩き出して1時間ほどで山道を抜け、開けた場所に到着。ここは、お城の一部(出丸)があった場所なのだとか。ここから、さらに登ること約20分。午前11時40分、瓜生山頂上に到着です。ここで、お母さん手づくりのお弁当でお昼です。
お弁当を食べながらも磯野さんは確認を忘れません。「山を歩くとき、気を付けてって言ってることは何やった? 先に歩いていってもいいけど、見えなくなるまで行ったらあかんって言うてるやんな。それは守ってな」。こういった約束事も大切ですね。
午後0時40分、行動開始。下山ルートの曼殊院に向けて出発です。元気いっぱいに山道を下る子どもたちの背中を見ていると…、そういえば荷物を背負ってませんね。
「私は持たせないことにしています。小さいうちは持久力はあるんですが、筋力はありませんから。でも、自分の物は自分で持つというのも大切なので、年齢に応じて変えていこうかと思っています」
調子よく歩く子どもたちを見て、磯野さんから「曼殊院より先まで行ってみましょうか?」という提案が。即賛成で、修学院離宮に向かうルートを歩くことになりました。ただし、「初心者は曼殊院で下りる方がおすすめ」とのことなので、体力に合わせてルート選択をしてくださいね。
このルートの最後は雲母(きらら)坂。ゴツゴツとした石が多い、細い登山道です。すべらないように注意しながら歩を進め、午後2時50分、ようやく雲母坂を下り終え、ハイキング終了。市バス「修学院道」停に向かう、音羽川沿いの道を全速力で駆け下りる子どもたち。まだまだ元気が残ってます!
〜 ここからは、磯野さんに紹介してもらった2コースを記者が歩いてみました 〜
こちらも上記で紹介した瓜生山同様、京都一周トレイル。標識もしっかりあり、所要時間は1時間30分ほどという気軽に出かけられるハイキングコースです。
出発は、午前9時30分、阪急「嵐山」駅。駅から西へ向かい、突き当たりを左折したところに松尾山登山口があります。竹林から山道へと変わるコースをひたすら登り続けること30分。松尾山に向かう“四つ辻”に到着。ここから松尾山頂上を通り、同じ場所に戻ってくる“円ルート”です。
さぁ松尾山登頂だ~!とばかりに勢い込んで、進み始めると、すぐ見晴らしポイントが。眼下に広がる嵐山の景色を見ていると、疲れも吹き飛ぶよう。ひととき景色を楽しんだ後、再び、歩き出した記者。次の標識をチェックしながら進みます。
「何か、おかしい」と思い出したのは歩き出して20分ほどの地点でした。地図通りなら、とうに次の標識があり、山頂にも着いているはず。引き返そうか…と思っているうちに小さな標識が木にかかっているのを見つけました。
それを見ると、「←烏ヶ岳」とあるではないですか! 急いで地図を確認すると、完全にトレイルコースから外れています。来た道を引き返し、最後に通った標識を見ると、もちろん、きちんとコース案内はされています。山を歩くときは、ボンヤリしてはダメ! 気を引き締めて再出発です。この時点で、午前11時14分、約1時間のロスです。
歩き出すと、すぐに松尾山頂上に到着。ここからは、順調そのもの。松尾大社の裏手に当たる道を下り、西芳寺(苔寺)の西側に出たところで、午後0時12分、トレイルは終了。
みなさん、標識はくれぐれも見落としなく。