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この時代、若い世代はなに目指す? 高校生のなりたい職業

多くの新社会人がデビューする4月。若い人のキラキラした姿はまぶしいほどですが、相変わらず、学生をめぐる就職情勢は厳しいものですね。不況、内定率の低下。こういった時代、近い将来に就職を考えている高校生はどんな職業に就きたいと思っているのでしょうか。次代を担う世代の、仕事への“夢”とは?

「公務員」と「保育士・幼稚園教諭」が同率1位

アンケート結果

この特集のために、「将来、就きたい仕事は何ですか?」というアンケートを京都府立高校の2年生266人に実施しました。その中で、未回答(「特になし」含む)は69件。197件には、あこがれ?の、または現実的?な職業が書かれていました。

まずは、その中のベスト4を紹介しましょう。

1位は18人で、「公務員」と「保育士・幼稚園教諭」が同率。とはいえ、教師、警察官、消防士も別でランクインしているので、実質的には公務員が単独1位と考えられますね。
公務員志望の男女比は、男子15人、女子3人。志望理由で最も多かったのが「安定しているから」で9人でした。
ちなみに、2003年に「日本ドリコム」が全国の高校2年生に向けて調査した「やりたい仕事アンケート」では、公務員は15位という結果に。8年間で、安定志向が上昇しているといえるかもしれません。

保育士・幼稚園教諭は、前述の「日本ドリコム」のアンケートでもナンバーワン(同アンケートでは“保育”と表記)。
今回の18人の中には、男子も3人。「子どもが好きで、面倒を見るのも得意」「自分がお世話になった保育士さんにあこがれて」という理由が多数ありました。

そして、3位は15人回答で「看護師」。「小さいときからのあこがれ」「人の役に立ちたい」という理由以外に目立ったのが「親もナースだから」という声(4人)。アンケート結果からみると、ほかの職業よりも親の影響が強いようです。

回答者2けたの最後は「教師」。「やりがいがある」「小学校のときの先生が印象的だから」という理由もありました。

このほか、複数回答者がいた職業は表の通り。1人だけしか回答していない職業については、「リビング京都」のホームページ内「STAFF BLOG」で紹介していますので、そちらもチェックしてくださいね。

あこがれの職業につく“先輩”の仕事観とは?

では、実際に今の高校生がなりたい職業についている人は、その仕事に対してどんな意識を持っているのでしょう。“あこがれ”の仕事をしている、20〜30代の6人にインタビューをしました。

料理人/「いつかは、お客さまとの距離が近い自分の店を」 桝村紘基さん(20歳) 志望動機/「自分が作った料理を人に提供したいから」(男子)

2日に1回は、百貨店に仕入れに出かける桝村さん。
「そこで旬の食材を見るのも勉強です」

「『淡海地鶏の軽いスモーク』というメニューがあるんですが、それは仕上げにお客さまの目の前で塩を振るんです。最初にしたときは、手が震えてしまいました」

イタリア料理店「京都ネーゼ」に勤める桝村紘基さんは高校卒業後すぐ、この店に就職。「料理人になるにはまず専門学校、と思って入学手続きもしていたんですが…」
それが、急展開。知り合いのシェフに「京都ネーゼ」を紹介され、あれよあれよという間に、こちらで働くことに。

「イタリアンの料理人になるとは、考えてもいませんでした(笑)。働きながら、いろいろなことを教えてもらったり、シェフに食べ歩きに連れて行ってもらうことで料理の勉強をしてきました」

オープンキッチンでお客さんとの距離が近いのも同店の特徴です。
「名前を覚えてもらったり、声をかけてもらえるととてもうれしい。人と接するのが苦手だった僕が、今では、こんなふうにお客さんと接することができる小さなお店を持つ夢ができました。もちろんイタリアンで(笑)」

前述の「淡海地鶏の軽いスモーク」。仕上げの塩の量は一定ではありません。当初は、お客さんの顔を見ることもできなかった桝村さんが、今では、飲んでいるワインにまで合わせて塩加減をばっちりきめてくれます。

一級建築士/「建築は、無限におもしろい」 市川宣広さん(37歳) 志望動機/「この世にはないような建物を作ってみたいから」(男子)

「日常に近いものを設計することに楽しさを感じます」

「もともとインテリアデザイナーになりたくてハウスメーカーに就職したんですが、段々と建築そのものに興味を持ち始めて」と、「リヴ一級建築士事務所」の代表取締役・市川宣広さん。その後、転職した工務店時代に一級建築士の資格を取得、独立。

「一級建築士はビルなどの特殊な建物も設計できますが、私が手がけているのはほとんどが住宅です。自分が作るもので、家族が仲良くなったり、暮らしやすくなったりして、住む人がいい方向に向かってほしい。そのためにはどうすればいいかを考えるのが楽しいんです。建築は無限におもしろいですね」

そんな建築に携わろうと考えているなら、今のうちにしておくといいことってありますか?

「ジャンルにこだわらず、何でも見ておくこと。禁じられていなければ(笑)、バイト先の人間関係から学ぶことも大きいし、遊びに行った場所で思わぬ発想が浮かぶこともある。それが、自分の“持ち味”になって、いつか役立つときがくると思いますよ」

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