ミツバチが懸命に集めたハチミツは“黄金の一滴”とも呼ぶべきパワーが秘められています。でも「なかなか1ビン使い切れない」という声も多いもの。ハチミツのエキスパートともいうべき専門店や養蜂家のみなさんに、活用法などを教わりましたよ。
活用術を教わったのは…
京都西陣蜂蜜専門店 ドラート店長・大久保ひとみさん
株式会社 金市商店仕入部・営業企画 市川拓三郎さん
京都で人気のハチミツ専門店に、そのパワーを余さず活用する方法を教えてもらいました。まずは料理編です。
「料理の際、砂糖の代わりに使うときは、おおよそ砂糖の半分の量を目安にしてみてください」(大久保さん)
カレーの味が引き立つ カレーにハチミツを入れると、スパイシー感が立ち、とてもおいしくなります。ただし最初に入れるととろみが減ってしまいます。食べる直前にハチミツを入れるか、ハチミツを一度別のお鍋で沸騰させてから加えて チーズとの相性◎ チーズの臭みや酸味を和らげるので、食べる際にかけてみて。中でもブルーチーズなど、塩気の強いものによく合います カレーの味が引き立つ ハチミツの果糖とブドウ糖の分子が肉や魚の臭みを抑えてくれるそう。煮魚の砂糖代わりにぜひ。 魚の臭みが抑えられるのは… 魚の臭みは揮発性でアルカリ性のアミン臭。ハチミツの有機酸により中和され、不揮発性に変化してにおいがなくなります。同時に、ハチミツのブドウ糖や果糖が魚のたんぱく質やしょうゆなどのアミノ酸と反応して香ばしい香りを発し、魚臭をマスクします(木戸さん) |
お肉を軟らかく ハチミツには、お肉を軟らかくする効果が。漬け込みダレに使うのがおすすめ 肉が軟らかくなるのは… 肉をハチミツに漬けると、ブドウ糖と果糖、有機酸の働きで肉の保水性がアップ。肉たんぱく質の熱凝固が抑えられます。またハチミツを加熱すると一気にカラメル化するため表面が焼き固められ、肉汁やうま味が閉じ込められます(木戸さん)古米がふっくら! ご飯を炊くときにハチミツを加えると、ツヤがでておいしく炊きあがります。「特に古いお米には効果的。2合に小さじ1を目安に」(市川さん) ハチミツを使った梅シロップ 青梅1に対してハチミツ2~3を加えて、1カ月ほど漬ければ梅シロップの出来上がり。お湯や冷水、炭酸水などで割ったり、ソースとして使ったり、アイスにかけたりと用途はさまざま。かりん、ショウガ、ラッキョウ、レモン、キンカン、ユズ、クコの実などもハチミツ漬けに向きます |